歴史と文化の香る華の都、パリ。
街を歩けば至る所に歴史ある建物が建ち、その重厚な存在感にしばしば圧倒されます。
もしそんな場所に滞在出来たら、きっと特別な素晴らしい時間になることでしょう。
まさしくそんな特別な場所と言えるのがオペラ座(ガルニエ宮)に隣接し、その歴史と共に歩んできたホテル「インターコンチネンタル パリ ル グラン(InterContinental Paris Le Grand)」です。
バルコニーにたたずめば、すぐ目の前には手が届きそうな距離に美しいオペラ座が!
そしてホテル内に2か所ある歴史的建造物の重厚で繊細な美しさはため息が出るほどです。
今回はこの「インターコンチネンタル パリ ル グラン」の魅力を前編・後編と2回に渡ってご紹介させていただきます。
実はオペラ座よりも古いホテルの歴史もとても興味深いので、それも併せて、見て読んで楽しんでいただけると嬉しいです。
1.1862年「パリ万博」に先駆けて開業した「インターコンチネンタル パリ ル グラン」
2. 華やかな時代のパリの様子を今に伝えるエントランスとロビー
3.裾の広がったドレスを着たご婦人方に配慮したつくりの階段
4.ホテル客室は2024年パリオリンピックに向けて全面改装中
5.客室からはあの美しいオペラ座(ガルニエ宮)が!
6.サラ・ベルナールも歌った歴史的建造物、サロンオペラは圧巻の美しさ!
7.江戸幕府の役人も食事をしたサロンは、今も現役で使われています
1862年「パリ万博」に先駆けて開業した「インターコンチネンタル パリ ル グラン」
ホテルの開業は1862年。
皇帝ナポレオン3世の意思により、1867年に開かれるパリ万国博覧会に向けて建設されたため、落成式はユジェニー皇妃によって執り行われました。
設計はオペラ座と同じシャルル・ガルニエ(Charles Gernier・1825-1898)ですが、オペラ座が完成したのは1874年ですので、オペラ座よりも古い歴史があるということになります。
ユジェニー皇妃は ” モードの女帝 “とも呼ばれるほど、当時のフランスではファッションリーダー。ルイ・ヴィトンのトランクを愛用したことでも知られています。
彼女の名を冠したお財布「ルイ・ヴィトン モノグラム ポルトフォイユ・ウジェニ」をご存知の方も多いのでは?
オペラ座はナポレオン3世の第二帝政時代を称えるためのもので、1875年にはオペラ通りも開通。
このオペラ座とオペラ通りが出来たことにより、この界隈はさらに栄えます。
そして、ホテル併設の「カフェ・ド・ラ・ぺ(Cafe de la Paix)」には多くの文化人やジャーナリストが集まるようになります。
また、セーヌ県の知事であったジョルジュ・オスマンがナポレオン3世と共に行ったパリ改造計画により、道路が拡張されたり舗装されて広くなり、テラスのあるカフェが増えていきます。
中でも、オペラ座劇場に出入りする人々の姿が見えるこの「カフェ・ド・ラ・ペ」のテラス席は特別で、それは今も続いているのです。
華やかな時代のパリの様子を今に伝えるエントランスとロビー
それではさっそく、歴史あるホテルの中に入ってみましょう。
実は、「インターコンチネンタル パリ ル グラン」はとても大きなホテル。
オペラ座に面した側の扉を、正面玄関と勘違いされる方も多いのですが、それとは逆側が正面玄関です。知らないと探してしまいますのでちょっと覚えておくと便利ですよ!
正面玄関側は、広い車寄せもあり重厚で立派な構えとなっております。
ここからすでにパリが繁栄した華やかな時代の高級ホテルの雰囲気が漂っております。
一歩入ると白が基調でとても明るいエントランス。その中でずっしりと重厚感のあるフロントが伝統と歴史を感じさせます。
日本人の女性スタッフも2名ほどいらっしゃるそうです。海外初心者の方でも安心して滞在できますね!
すぐそばにはコンシェルジュカウンターもあり、レストランの予約などにも対応してくださいます。
エントランスの隣はエレベーターホールですが、エレベーターホールとは思えない格調の高さです。
中央に飾られた絵は世界初の国際的女優と言われる、19世紀フランスを代表する大女優サラ・ベルナール(Sarah Bernhardt・1844‐1923)。
ベル・エポック時代の象徴であり、チェコ出身でベル・エポック時代に開花した新芸術運動=アールヌーヴォーの代表的画家、アルフォンス・ミュシャ(Alphonse Mucha・1860‐1939)のミューズとしてもよく知られておりますね。
サラ・ベルナールはこのホテルに幾度となく滞在しているのですが、それは常連だったという他にも大きな理由がありました。
その理由はまた後程お話させていたいただくことにして、館内のご案内をすすめましょう。
裾の広がったドレスを着たご婦人方に配慮したつくりの階段
ここはホテルの中で一番広い階段。
よく見ると段差の一段一段がかなり低いのがお分りになっていただけるでようか?
これは当時、裾の広がった手の込んだドレスを着た富裕階級のご婦人方が歩きやすいようにと配慮されたもの。
映画や本で見るような、長いドレスをつまんで優雅に歩くご婦人方の姿が思い浮かびますね。
きっと客室でそれぞれ美しく身支度を整え、外出したのでしょう。
階段途中のちょっと不思議で美しい空間は、元エスカレーターがあった場所。鉄の美しい扉がその名残となっております。
ホテル客室は2024年パリオリンピックに向けて全面改装中
それでは客室もご紹介いたしましょう。
ただし、現在ホテルは2024年のパリオリンピックに向けて2020年まで、順次全面改装中。ということで、今回は少しだけのご紹介です。
このクラシックな赤のファブリックが印象的なお部屋も含め、すべての客室が生まれ変わります。
私も新しいファブリックを一部見せていただいたのですが、クラシックで上品でありながらもクールな印象。
アメニティも現在の「アンヌ・セモナン(Anne Semonin)」から別ブランドに変わる予定とのこと。
また「インターコンチネンタル パリ ル グラン」と言えば、ラウンジ利用申し込みで、滞在中の朝食や昼食、アフタヌーンティー、ディナーがビュッフ式で1日中楽しめる「クラブラウンジ」も大人気。その「クラブラウンジ」も生まれ変わります。
全てが新しくなるとのこと。楽しみです!
客室からはあの美しいオペラ座(ガルニエ宮)が!
でも客室の窓からの眺めは昔も今も、そしてこれからも変わることはありません。
バルコニーに出ると、手が届きそうな距離に世界一美しいと言われるオペラ座が!
日中の賑やかな風景も楽しいですが、夜の幻想的な眺めもまた格別。
客室のバルコニーから見る、人気のない真夜中のライトアップされたオペラ座はいつまで見ていても飽きない、とおっしゃるゲストの方も多いそう。
オペラ座と共に歩んできたこのホテルのゲストのための特等席と言えるかもしれませんね。
それではもう1つ、このホテルの特別な場所へとご案内いたしましょう。
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・パリのオペラ座(パレ・ガルニエ)でふけていくロマンティックな夕べ
サラ・ベルナールも歌った歴史的建造物、サロンオペラは圧巻の美しさ!
このホテルにサラ・ベルナールが、幾度となく滞在していることをお伝えさせていただきました。
それは、ヴィクトル・ユゴーに「黄金の声」と称されたこともある、その美声を披露するためでした。
その声を披露したのがこの「サロンオペラ(Salon Opera)」ポールルーム。広さ何と450㎡で600名まで収容が可能だそうです!
ホテルの中にこんなにゴージャスで大きなサロンがあるのです!
豪華絢爛というのはまさしくこういうことを言うのでしょう。
壮麗な彫刻と光に囲まれ眩しいくらいです。
当時とまったく変わらない姿で150年以上の時を刻み続けるこのサロンは、歴史的建造物として認定された国の文化遺産。
サラ・ベルナールもここで何度も歌い、その声がこのホールに響き渡ったのです。
江戸幕府の役人も食事をしたサロンは、今も現役で使われています
また、1864年には何と池田長発(いけだながおき)を団長とする、江戸幕府の『第二次幕末・遣欧使節団』34名が「インターコンチネンタル パリ ル グラン」に2ヶ月間滞在。
その間、毎日ここサロンで朝食とディナーをとったそうです。
そんな風に当時も、そして今も、晩餐会や舞踏会が催され、コンサートや結婚式、ファッションショーも開かれているのです。
見るだけじゃなくしっかりと使われているのがまた素晴らしい。と言うかすごいです!
ということで次回後編では、800㎡もの広さを誇るガラス張り天井のロビーラウンジ「ラ・ヴェリエール(La Verriere)」。
そして、パリ・オペラ地区のカフェ文化の象徴とも言える「カフェ・ド・ラ・ぺ(Cafe de la Paix)」をご紹介させていただきます。
そちらも興味深い歴史とため息が出るような美しい世界です。どうぞお楽しみに!
■取材協力
インターコンチネンタル パリ ル グラン INTERCONTINENTAL PARIS LE GRAND
住所:2 Rue Scribe : Paris
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