情報を集めて準備して、エッフェル塔やシャンゼリゼを思い浮かべてワクワク。ハネムーン出発前日は「ドキドキしてなかなか寝付けない!」なんてこともあるかもしれません。
でもやはり、日本とは気候も食材も水も違う外国。身体がすぐに適応出来ず体調を崩す、ということはフランスに限らず考えられること。
またケガはどこにいてもいつも予定外に起こってしまうことですね。
ということで、今回は万が一フランス新婚旅行中に病気・ケガをした場合の対処法についてご紹介させていただきます。
日本と大きく違っていて心配なのは何と言っても言葉と治療費。海外旅行保険への加入が大事になってくると思います。
ということでまずは出発前に自分たちに合う保険選びから。
海外旅行保険ってどんな補償をしてくれるの?
海外旅行保険とは海外を旅行している際に起る病気、ケガ、紛失、盗難などの損害を補償する保険。主な内容はこのようになっております。
- 病気、ケガ、万が一の傷害死亡を補償
- 他人への損害が発生した場合の補償
- 紛失、盗難など自分の身の回りのものが被害にあった場合の補償
- 航空機に預けた荷物の遅延や紛失、航空機の欠航や運休等により発生した負担の補償
この中で加入の際に特にチェックしたいのが、新婚旅行中の「病気、ケガについて」です。
確認すべきポイントは以下の3つ。
- 24時間・年中無休、日本語で対応してくれるか
- キャッシュレスで診察が受けられる現地病院と提携しているか
- クレジットカードに自動付帯される海外旅行保険で合算補償を狙う
それでは、それぞれ詳しく見ていきましょう!
24時間・年中無休、日本語で対応してくれるところを選ぶ
ただでさえ異国で会話をするのは勇気が要ること。ましてや緊急の場合は、具体的な説明をすることはさらに難しくなります。そんな時に頼りになるのが、いつでも電話で日本語でサポートが受けられること。
必要があれば電話を通して通訳をしてくれる場合もあります。
また電話だけでなく、現地の係員が対応してくれることも。それだと本当に安心ですね。
ただしこの現地対応は各保険会社で大きく違ったり、オプションになる場合もあるので契約の際に確認が必要です。
キャッシュレスで診察が受けられる現地病院と提携してるところを選ぶ
海外で診察を受けた場合、日本の保険はもちろん使えませんので実費になります。しかも国や症状によっては高額になることもあります。
海外旅行保険に加入していれば、ほとんどの場合、後で診断書と領収書を提出して補償が受けられます。
でも、診察を受けたその場で保険が使えて、キャッシュレスになると助かりますね。これも各保険会社で違ってくるので確認が必要です。
クレジットカードに自動付帯される海外旅行保険で合算補償を狙う
クレジットカードにも、海外旅行保険が自動付帯されていることが多いのでそちらもチェックしてください。
クレジットカードの保険は手厚くないイメージがありますが、実は海外旅行保険が自動付帯の「別の会社のカード」を複数保有していると「補償が充実する」ことがあります。
というのも、傷害死亡と傷害後遺障害は最高保障額の方が採用されますが、治療や賠償、携行品損害などは合算で補償してもらえることがあるからです。
なので複数持っている場合は、各カード会社に確認してみることをおすすめします。その際大事なのは、それぞれのカードがJCBやVISAの違いではなく、どこの会社のJCBかVISAか、ということです。
数日間の旅行で傷害死亡や傷害後遺障害になる確率はかなり少なく、使う率が一番高くなるのが治療費用。そして万が一高額な医療搬送になった場合の救援費用が手厚いと安心。
これらをチェックし、自分たちに合った保険を選ぶことが大切です。
ここで注意しなければならないのは、クレジットカードに自動付帯される海外旅行保険のみでは不十分になることがあります。
以前、ハワイ・オアフ島でウォールアートで有名なカカアコ地区で起きた事例。TV「ザ・世界仰天ニュース」でも紹介されましたが、旅行中の邦人家族が公園のトイレ内で襲われ、大けがを負いました。
たまたま、海外旅行保険に未加入だったため、高額な治療費が払えず、途中で治療を断念。命の危険もある状態の中、日本に無理やり帰国したというものでした。
病院からの治療費請求はなんと800万円以上!クレジットカードの補償では到底足りなかったそうです。海外旅行保険加入はとても大事だということを肝に銘じたいと思います。
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パリ・フランス滞在中で症状が軽い病気やケガの場合はまず薬局へ
北海道と緯度が変わらないフランスは、秋と冬は日本の本土よりだいぶ早くやって来て、春でも暖房が必要な日があったりします。
なので長時間のフライトの疲れや気温の変化などで体調を崩すことは誰でも起こりえること。
そんな時、症状が軽く病院へ行くほどでなければパリの薬局=「PHARMACIE(ファルマシー)」で薬を買いましょう。
薬局での薬の買い方と簡単なフランス語で症状説明を
「PHARMACIE(ファルマシー)」はこの緑の十字が目印です。薬局で薬を買う場合の、簡単なフランス語(単語と使い方)をご紹介します。
<症状を説明する基本の文>
■J’ai un mal de tête(ジェ・アン・マル・ドュ・テットゥ)=頭痛がします。
赤の部分を下記の言葉(症状)に入れ替えて使うことが出来ます。
・嘔吐 des vomissements(デ・ヴォミスマン)
・腹痛 des maux de ventre(デ・モー・ドュ・ヴァントル)
・下痢 la diarrhée(ラ・ディヤレ)
・熱 de la fièvre(ドュ・ラ・フィエーヴル)
・せき de la toux(ドュ・ラ・トュー)
・風邪を引く attrapé un rhume (アトラッペ・アン・リュム)
<欲しい薬を説明する文>
■Je voudrais acheter un médicament pour le mal de tête(ジュ・ヴドレ・アシュテ・アン・メディカモン・プー・ル・マル・ドュ・テットゥ)=頭痛薬が買いたいです。
これも赤の部分を下記の薬名に入れ替えて使うことが出来ます。
・風邪薬 un médicament pour le rhume(アン・メディカモン・プー・ル・リュム)
・胃腸薬 un médicament pour les maux de ventre(アン・メディカモン・プー・レ・モー・ドュ・ヴァントル)
<薬の使い方などを訪ねる>
■Est-ce qu’il y a des effets secondaires?(エスキリヤ・デ・エフェ・スゴンデール)=副作用はありますか?
■Combien de comprimés par jour?(コンビヤン・ドュ・コンプリメ・パー・ジュール)=1日何錠ですか?
■Je ne veux pas un médicament trop fort(ジュ・ヌ・ヴ・パ・アン・メディアカモン・トロ・フォー)=強過ぎる薬はほしくありません。
薬局で買えるフランスのポピュラーな市販薬
フランスで気軽に購入できる具体的な市販薬もご紹介しておきましょう
「Doliprane(ドリプラン)」
日本でいうバファリン的なお薬で、急な発熱、風邪、頭痛、痛みの時に。優しい成分配合でフランス家庭の常備薬。
「Smecta(スメクタ)」
下痢や消化不良の時の整腸剤。
「Maalox(マアロックス)」
消化不良や胃痛などの胃腸薬。
「Flector(フレクトール)」
腰痛や肉離れなどの抗炎症の塗り薬。すーっとするタイプではなく優しいつけ心地です。長時間のフライトなどで腰痛がひどい時などにも。湿布タイプもあります。
「Homeoplasmine(オメオプラスミン)」
ロナインのようなフランスの万能軟膏。皮膚の炎症を抑える効果。体のどの部分の皮膚にも赤ちゃんにも使える優しい使い心地。
モデルや女優さんはリップクリームとしても活用。
ただし!症状が重い場合はすぐに病院へ
症状が重い場合は、我慢せずにすぐ病院へ行きましょう。
保険加入の際にもらう冊子に指定病院がのっていればそこが安心ですが、まずは24時間電話対応の保険会社のサポートデスクに連絡し、どのようにしたらいいか聞きましょう。
緊急を要するようであれば、ホテルのフロントに話して「病院に連れて行ってほしい」とお願いしてください。
その際は「フランスの薬局での薬の買い方」のところでご紹介した、フランス語で単語だけでも構わないので説明してください。ご本人が無理なようであれば付き添いの方が伝えてください。
病院に行った時に提示するものは海外旅行保険証書とパスポートです。
海外旅行保険に入っていても、その場でキャッシュレスにならないことの方が多いです。診断書と治療費を払った時の領収書、薬の領収書、病院までの往復の交通費の領収書も忘れずにとっておいてください。後で請求の際、必ず必要になります。
病院で書類をお願いする時のフランス語の簡単なフレーズはコチラ。
■J’aurais besoin d’un certificat médical svp.(ジョレ・ブズワン・ダン・セルティフィカ・メディカル・シィルヴプレ)=診断書が必要です。
■J’aurais besoin d’un reçu svp.(ジョレ・ブズワン・ダン・ルスュ・シィルヴプレ)=領収書が必要です。
パリの病院だったら日本人スタッフがいるアメリカンホスピタルへ
パリやパリ郊外滞在の場合は、日本人スタッフが常勤しているパリ郊外ヌイイー=シュル=セーヌにある「アメリカンホスピタル」になることが多いと思います。
パリ市内からでも場所や時間帯にもよりますが、タクシーで2、30分ほど。
24時間電話対応の海外旅行保険会社のサポートデスクに連絡すれば、平日以外の日曜や救急でもデスクから病院の予約をとってくれる場合がほとんです。
<Information>
アメリカンホスピタル American Hospital of Paris
ホームぺージ
住所:63 Boulevard Victor Hugo 92200 Neuilly-sur-Seine
代表電話:01 46 41 25 25
日本人セクション:01 46 41 25 15
せっかくの旅行、何事もなく無事帰国出来るのが一番ですが、もしもの時はこの記事を参考にしただきながら、お2人で助け合って対処してくださいね。
旅行出発までの体調管理もどうぞ万全に!