パリには絵になる美しい裏通りがたくさんあるのですが、今回はわたくしが大好きで季節ごとに写真を撮り続けている、とっておきの場所をご紹介いたします。
それがここ「テルモピル通り(Rue Des Thermopyles)」。 「テルモピル」はフランス語ではなくギリシャ語で、紀元前 480 年に起こったギリシャの谷の戦い「バタイユ・テルモピル」からの由来です。
なのでフランス語読みだと「テルモピュレ」 となりそうなのですが、ギリシャ語読みで「テルモピル」になります。 観光客の姿はほぼないと言っていい、パリ14区のちょっと地味なカルティエにあります。
でもそのおかげで、どの季節に来ても静寂に包まれた場所。 パステルでかわいいハネムーンの思い出フォトを撮るのにもぴったりです。
それではとっておきのパリの裏通りをご案内いたしましょう。
フォトジェニックなテルモピル通りの歴史をちょっぴり
パリの南の外れ、14区にあるこのテルモピル通りは現在280メートルの小さな裏通り。でも昔はもっと大きな通りの一部だったのです。
その大きな通りは18世紀に建てられたお城「シャトー・デュ・メーヌ(Château du Maine)」とつながっていました。そしてその頃、この辺りはパリ郊外。
1859年にショーヴローという人が、家を建てて売ったり貸したりするためにこの通り一帯を買っています。その後、メーヌ城が1898年に完全に取り壊されてしまいます。
その後1920年代に数度に渡り、通りが切り分けられ、現在のささやかな通りへと変わっていきました。
また、1958年までは住民しか入れないプライベートな通りでしたが 、1959年から一般の人にも開放されるようになりました。住んでいなくてもこんな素敵な場所を見られるのは嬉しいことです。
今はひっそりとした住宅街。知らなければパリジャン、パリジェンヌでさえも訪れないような隠れ家的通りなんです。
住民たちにより、センスよく彩られた美しい窓辺
フランス人は生活に緑や花をさりげなく取り入れるのがとても上手。この通りは特にそんな光景に溢れています。
どこを切り取ってもフォトジェニック。
この猫ちゃんはしょっちゅう見かける子。
飼い主さんはアパルトマンに住むマダムです。
季節ごとに表情が変わるのもテルモピル通りの魅力
この時はちょうどバラの季節。あちこちで鮮やかに咲いておりました。
こんな花々が咲く春夏ももちろんよいのですが、ここは秋もまた素晴らしいんです。そして、 冬もきりっとした冬のよさがあります。
ゴージャスさはないけれど、14区らしい温かみのある風景はこの通りならでは。
パリの観光地の人混みに疲れたら、中心地からは少し離れていますが来てみるのもおすすめ です。
こんなパリの日常の風景を思い描いていたんだ、な〜んて思っていただけるかもしれません。
ただし、静かな住宅地なので、そこにお邪魔させていただくということを忘れずに。そっと訪れてゆっくりとしたひと時をお過ごしくださいね。
<Information>
テルモピル通り(Rue Des Thermopyles)
住所:Rue Des Thermopyles
最寄駅:「ペルヌティ(Pernety)」13号線
パリ14区の観光案内
パリ14区といえばモンパルナス。フランス国鉄の主要ターミナルの一つである駅周辺には、商業施設や観光スポットが集まり、にぎやかなスポット。
かつてピカソやモジリアニなどの芸術家たちが、売れない頃に通ったモンパルナス食堂は現在「モンパルナス美術館」になっています。
また「モンスーリ公園」は、パリ国際学生都市(シテ・ユニヴェルシテール)の向かい側にある広大な公園。パリ三大公園の一つで、こちらも花と緑にあふれています。お2人でぶらぶら散歩されてもいいですよ。
以前、日本人シェフが腕を振るうおすすめのレストラン「オ・プリュム」をご紹介したことがありました。こちらのすぐ近くにあるのが超有名な観光スポット「カタコンブ・ド・パリ」です。
パリ14区を訪れたら、常設マルシェであるダゲール通りもぜひのぞいていってくださいね。