ロンドンの一等地、メイフェアに1931年からその姿を構え続けているホテル「ザ・ドーチェスター」。
世界でラグジュアリーホテルを展開する「ドーチェスター・コレクション」の一つであり、その中でもロンドンの「ザ・ドーチェスター」はフラグシップホテルでもあります。
市内に数々存在するラグジュアリーホテルとはまた別格の重厚な歴史と、スタッフのあたたかくフレンドリーなサービスがここを訪れる多くの宿泊客を今も魅了し続けています。
今回はイギリス・ハネムーンにおすすめのロンドンの老舗5つ星ホテル「ザ・ドーチェスター」を取材してきました!
「ザ・ドーチェスター」その歴史とアンティークなお部屋たち
ザ・ドーチェスターの歴史は長く、はじまりは1931年。イギリスではまだジョージ5世(エリザベス女王の祖父)が在位していた時代です。
ロンドン・ハイドパークのすぐ横、パークレーンとディアネリーストリートにもともとあった貴族の邸宅の土地を買収し建設されました。
近代化された今も尚、ザ・ドーチェスターでは1930年代の調度品や家具、内装のデザインによってアンティークな雰囲気を保ち続けています。
英国王室やセレブたちに愛されてきたホテル
「ザ・ドーチェスター」は、これまでに世界中の有名俳優や女優、ミュージシャン、英国王室から愛されてきました。
セレブリティの宿泊先として使われるだけでなく、オーディション会場やインタビュー室、結婚式の会場としても使用されてきました。
あのプリンス・チャールズ皇太子もダイアナ妃との結婚式の前日にこのホテルを利用したそうです。
ハネムーンで特別な滞在を約束する豪華なゲストルームと星付きレストラン
部屋数は250部屋。スイートルームが56部屋あります。しかものその室内装飾はすべて異なるというこだわりよう!
ホテル内には高級ブランドショップ、スパ(The Spatisserie)、4つのレストランがあります。
- The Grill at Dorchester(ザ・グリル/モダン英国料理)
- Alain Ducasse at Dorchester(アラン・デュカス/フランス料理)
- The Promenade(プロムナード/軽食・アフタヌーンティー)
- China Tang(チャイナ・タン/広東料理)
なかでも“Alain Ducasse(アラン・デュカス)”はイギリス内に存在するミシュラン星付きレストラン4つのうち、3つ星レストランの1つとして有名です。
レストランについては次回後編でじっくりお伝えしていきますね。
予算を押さえるなら「デラックス・ダブル・ルーム」
スイートルーム以外のお部屋でも、この豪華さ!上品で落ち着いた雰囲気が漂うインテリアです。
せっかく取材にうかがったものの、ホテルはほぼ満室状態。写真のような素敵なアンティーク家具を直接この目でみたかったです・・・。
ハネムーンでちょっと奮発するならスイートルームがおすすめ
スイートルームは、まるで英国貴族のベッドルームのような贅沢な空間です。
そしてこのバスルーム!
一面大理石で作られており、もちろんバスタブ付きです。
そしてスイートルームの中には、ロンドン王立公園「ハイド・パーク」を一望できる、素晴らしい眺望のお部屋もあります。
昔から変わらない景色を滞在中、ずっと楽しむことができるなんて、贅沢ですね。
「ザ・ドーチェスター」のロビーへ入った瞬間から、そのこだわりを堪能できます
ホテルの顔でもあるロビーは、イタリア産大理石とゴールドの装飾で彩られ、定期的にメンテナンスや金の塗り替えが行われるほど丁寧な仕事ぶりです。
ロビーにはミュージカルやショーを予約できる、宿泊者専用のチケット・デスクが設置されており、わざわざ市内中心部のチケットブースまで買いに行く必要もありません。
実際にハネムーンでホテルを訪れたなら、ロビーのいたるところに美しい花の数々が飾られているのを目にすることでしょう。生花を贅沢に使ったアレンジです。
このロビーの花を含め、各客室に飾られる花、ウェディング用の花など、ホテル内の全ての花が、フローリストのフィリップさんの手によってデザイン・オーガナイズされています。
今回取材した7月はウィンブルドンの開催期間中であったため、ウィンブルドンのイメージカラーでもある白・緑・紫の花でデコレーションされていました。
スタッフの方によると、春のチェルシー・フラワーショウの時期や、クリスマス周辺は最もアメイジングなお花のデコレーションを見ることができるそうです。是非春シーズンやクリスマスを狙って訪れたいですね。
ロビーから続く「ザ・プロムナード」は、予約必須のアフタヌーンティーで有名
ロビーをそのまま進むと「ザ・プロムナード(The Promenade)」へと続きます。ここでは朝食や軽い食事、お茶、お酒、そしてピアノやハープ演奏、ジャズシンガーの歌声を毎日楽しむことができます。
心地の良いソファにシンプルで上品なテーブルセットとカラトリーが高級感と安堵感を与えてくれます。
ここ「ザ・プロムナード(’The Promenade)」の目玉はアフタヌーンティ(お1人様65ポンド=約8,430円前後)。宿泊者以外も楽しめるこのアフタヌーンティーは、「ザ・プロムナード(’The Promenade)」いちばんの人気メニューです。
そのため、なかなか予約を取るのが難しいとのこと。もしイギリス・ハネムーンでアフタヌーンティを試したいと思われている場合は、ホテルの予約時に必ずアフタヌーンティーの予約も済ませておくのをおすすめします。
<Information>
ザ・プロムナード The Promenade
営業時間:7時~22時(日祝は7時30分より)
アフタヌーンティの予約はこちら≫
ロビー脇にある「ザ・バー(The Bar)」で女王のロイヤル・カクテルを
ロビーのすぐ横にある「ザ・バー(The Bar)」では、落ち着いたシックな雰囲気で「ザ・ドーチェスター」ならではの特別なカクテルが楽しめます。
ディナーの後やミュージカルを見たあとに1杯。ふたりだけの大人の時間を楽しむのもいいですね。
「ザ・バー(The Bar)」のおすすめカクテルは、乙女心をくすぐる“Her Majesty’s Cup(女王様のカップ)”。
エリザベス女王のダイアモンド・ジュビリーを記念して作られたこのカクテルは、シェーカーからではなくティーポットから注がれ、グラスはなんとティーカップ仕様(カップの取手の部分を持つべきなのか、グラスのステムを持つべきなのか悩みます)。
見た目は完全に紅茶ですが、これはちゃんとしたお酒。味はジンをベースにラズベリーとアールグレイをミックスし、シャンペンをトッピングしたとってもファンシーなお味。
イギリス・ハネムーンの思い出のひとつになること間違い無しの、絶対に試してみたいロイヤルな一品です。
<Information>
ザ・バー The Bar
営業時間:12時~翌1時(日曜は深夜まで営業)
ゲストにとって「ザ・ドーチェスター」とは、ロンドンの家のような存在
このバーで30年以上にわたり、バーテンを勤めているジュリアーノさんに話を伺いました。
「ここのホテルのスタッフは長く働いている人が多いんだよ。その理由はこのホテルに滞在したゲストは、近いうちか数年後また必ず戻ってくるんだ。
『See you later』と言って帰っていく。そして彼らはまたここに帰ってくる。
そうしてだんだんと私たちはゲストと家族のような存在になっていくんだ。このホテルはゲストにとってロンドンの家のような存在なんだ。」
「ザ・ドーチェスター」がここロンドンで、なぜ人々から長く愛され続けているのか、その理由をジュリアーノさんのお話から垣間見ることができました。
ホテルでウェディングパーティはいかが?
ウェディングやイベントで使用される「ザ・ドーチェスター」の「ザ・ボール ルームThe Ball Room」をご紹介しましょう。
アールデコ調のこの部屋は1930年代から使用されている最も歴史のある部屋。ウェディングのみならずバースデー・パーティーやカーオークション、ハリーポッター・パーティーなど、ゲストの要望に合わせて様々な用途で使用されています。
ディズニー映画「アナと雪の女王」のファンが集ったフローズン・パーティーでは、部屋一体に氷でできたモニュメントを設置し、壮大なパーティーが行われたそうです。
「ザ・ドーチェスター」では小規模なパーティーも開催可能で、5名程度の小さなボール ルームも存在します。小さいながらも高級感が保たれた美しい部屋は、家族や友人を誘って、ちょっとしたお祝いパーティーをするには最適の空間。
もし家族、友人を連れての結婚パーティーを兼ねたイギリス新婚旅行を企画したい場合なども、ここ「ザ・ドーチェスター」でその全てがオーガナイズ可能です。
駆け足ではありますが、ロンドンの老舗ホテル「ザ・ドーチェスター」の魅力についてご紹介しました。
次回【後編】では、予約が困難といわれる「ザ・ドーチェスター」のレストランについてお伝えします。
<Information>
ザ・ドーチェスター The Dorchester
住所:Park Lane, London W1K 1QA
電話:+44 (0) 20 7629 8888
ドーチェスターコレクション予約センター:0120-914-084