モンサンミッシェル、現地編

前回はモンサンミッシェルの場所・行き方、参加前の準備のコツ(現地ツアーの日程選びなど)、現地に到着するまでのツアーの様子をご紹介させていただきました。

今回はいよいよモンサンミッシェル観光ご紹介編。そして幻想的な夜の島の様子をたっぷりのフォトと共にご紹介させていただきます。

ハネムーンカップルさんがこれを見たら、予定を変更してでもぜひモンサンミッシェルに1泊したくなるかもしれませんよ~。



モンサンミッシェルツアー、翌日まで現地自由行動が嬉しい!

モンサンミッシェル旅行、晴天、橋の上から記念写真。

パリからエミトラベルさんのツアーバスでやってまいりましたが、モンサンミッシェルでは、翌日16時の帰りの集合場所まで自由行動。

フリーになる前にホテルの予約書と修道院の入場券をもらいます(すべてツアー代込み)。

実は私、パリからの現地ツアーに参加したのが人生初!バスに乗るだけで観光地まで着いて、島内は自由というのはラクでいいな、と思いました。

フランスは初めてでことばが心配という方、海外旅行そのものが初めてという方でも安心して楽しめる。日本語で案内してもらえる現地ツアーはおすすめです。

モンサンミッシェルのある島とを、徒歩・シャトルバスで行き来する場合の注意点

モンサンミシェルまでの橋
修道院につながる橋

さて、対岸からモンサンミッシェルまでは2014年7月に完成した全長760メートルの橋を徒歩か無料のシャトルバス、または有料の馬車(夏季限定)で渡ります。

徒歩だと40分以上かかりますが、モンサンミッシェルを眺めながら向かうのは悪くないです。

ただし、日帰りの場合は滞在時間が短いのでシャトルバスがよいと思います。

無料のシャトルバス、頻繁に来るのですが、混む時間帯はすぐに乗れないことが多く、結構待ちます。

混み合う時間帯は以下の通り。

  • 15時から16時くらいの間に対岸へ戻る方面
  • 9時~10時30分くらいの間に島(モンサンミッシェルル)へ向かう方面

モンサンミッシェルツアーでやって来た人たちの多くが、16時前後に島から対岸の集合場所に帰るので長い行列になります。

そしてモンサンミッシェル修道院の入館が9時半(夏季は9時)なので、9時から10時半が混むというわけです。

なので混雑を避けたいなら、この時間を外すか、徒歩にした方がよい場合があります。

ツアーバス集合16時に、どうしても対岸に戻らなくてはいけない場合は、遅れないよう特に注意が必要です。

いよいよ世界遺産の島、モンサンミッシェルへ!

モンサンミッシェル、世界遺産の島の中。

それではいよいよモンサンミッシェルがある島の中へ入りましょう。堤防のすぐそばのラヴァンセ門をくぐります。

数歩歩くとモンサンミッシェル名物、ふわふわオムレツで有名な「ラ・メール・プラール」があります。

ふわふわオムレツで有名な「ラ・メール・プラール」
ふわふわオムレツで有名な「ラ・メール・プラール」

その奥に見えているのが15世紀に建てられた「王の門」。この門をくぐると修道院まで続く全長200メートルの島のメインストリート「グラン・リュ(Grand rue)」です。

「グラン・リュ」とは大通りという意味ですが、決して広くはなく、両脇にはお土産屋さんやレストラン、軽食屋さんなどがひしめいています。

ご覧の通り、多くの観光客で賑わっております。

モンサンミッシェル、島内、グラン・リュ、上り坂。

宿泊するホテルがこの通り沿いだったので、チェックインの時間まではまだまだありましたが、荷物だけでも預かってもらおうと寄ってみました。

するとチェックインが可能とのことで予約書を見せてすぐ入室出来ました。これもラクでした。

ホテルについての詳細は、ふわふわオムレツの率直な感想も含めパート(3)(4)のホテル・トイレ・食事事情でしっかりご紹介させていただきます。

さて、再びグラン・リュに出て先に進みます。だんだんと上り坂がきつくなり、いくつもの階段を上ります。そしていよいよ修道院の入口に到着です。

激動の歴史に翻弄され続けたモンサンミッシェルの修道院

モンサンミッシェル、修道院、干潮。

この修道院は8世紀、アヴランシュ司教オベールが、当時“墓の山”と呼ばれていた小さな岩山に礼拝堂を建てたのがはじまり。3日続けて夢の中で、大天使ミカエルから「この岩山に聖堂を建てよ」というお告げを受けたそうです。

その後、数百年に渡ってこの岩山の上に増改築が繰り返されました。

10世紀末から12世紀にかけてのロマネスク様式、12世紀後半から15世紀にかけてのゴシック様式など、中世のさまざまな様式が混ざりあい、独特な美しい姿になっていきました。

海に囲まれた立地のため、14世紀のフランスの王位継承権をめぐる英仏の百年戦争の時は要塞として使われ、18世紀のフランス革命の時には修道院は廃止されました。

その後1863年までは監獄としても使われ、激動の歴史に翻弄され続けてきたのです。

荒廃していたモンサンミッシェルが、ナポレオン3世の勅命(ちょくめい)により再び修道院として本来の姿を取り戻したのは1865年。

そして1979年、ユネスコの世界文化遺産に登録。1994年にはラムサール条約に登録されました。

ちなみに、オベール司教のお骨は今もアヴランシュの教会の地下に保管されているそうです。

モンサンミッシェル、圧巻の造形美と景色が広がる修道院へ

モンサンミッシェル、修道院内、大階段。

修道院に入ってすぐの大階段。すでにその迫力に圧倒されます。ここを上がってたどり着くのが西のテラス。

モンサンミッシェル、修道院、西のテラス。

モンサンミッシェルの中でも特に人気の絶景スポットです。

モンサンミッシェル、修道院内から眺める干潟。

西はブルターニュ地方、東はノルマンディー地方が広がります。

ここから修道院を見上げると、尖塔の頂点に黄金の大天使ミカエルの像があります。でも高過ぎてよく見えません~。

モンサンミッシェル、修道院、モンサンミッシェル付属教会。

様々な様式が混ざり合うモンサンミッシェル付属教会へ

モンサンミッシェル、修道院、ロマネスク様式、フランボアイヤン様式。

西のテラスに面して建っているのがモンサンミッシェル付属教会です。

もともとはロマネスク様式でしたが1421年に崩壊。後期フランスゴシックのフランボアイヤン様式(炎のようなという意味)に修復されたため、2つの様式が混ざり合っています。

内陣の色彩、複雑な曲線の高い天井、窓の上部の幾何学模様の飾り格子などが差し込んだ外光と相まって見事な美しさです。

モンサンミッシェル、修道院内、最上階、回廊。

最上階に位置する回廊は修道士たちが散策や瞑想をした場所。

モンサンミッシェル、修道院内、建築様式、二列の柱。

2列に立つ柱はわずかにずらされ、視覚効果が生み出されています。

この小さな島の岩山の上にこのような美しい中庭を持つ歩廊があるということ自体、驚異を感じずにはいられません。

モンサンミッシェル、修道院内、柱、景色。

木製の丸型天井の合同食事室では当時は壁に沿ってテーブルが配置され、修道士たちは壁に向かい食事をしていました。

モンサンミッシェル、修道院内、木製の天井。

食堂の真下には迎賓(げいひん)の間。

華やかなアーチ型の柱と天井が印象的。多くのフランス国王が出迎えられた場所です。

見学の方々が立ち止まっているのは巨大な暖炉前。ここでゲストのための料理が作られました。

モンサンミッシェル、修道院内、地下、礼拝堂。

15世紀に造られた地下礼拝堂は上階の付属教会を支える役目をしていて、円周5メートルの太い10本の柱がたっています。

19世紀、監獄として使われていた時代は囚人が判決を待つ場でもありました。

モンサンミッシェル、修道院内、地下、監獄としての歴史。

下の写真は、牢獄時代に囚人が中に入ってハムスターのように車輪を回し、大きな荷物や食べ物を運んだ大車輪。

モンサンミッシェル、修道院内、車輪。

想像すると何とも言えない気持ちになりますが、これもモンサンミッシェルの歴史の1つです。

干潮の時に広がるモンサンミッシェルの絶景をゆったりと楽しむ

他にも「騎士の間」や「聖マルタン礼拝堂」、「修道士の遊歩道」などがあります。13時過ぎに到着してから、すべてをじっくり見終わる頃は干潮の時間でこの日は16時くらいでした。

実は下の写真のような光景を、修道院から見たくてその時間に合わせて来たのです。

モンサンミッシェル、干潟、景色、グラデーション。

対岸からバスで帰る人たちがだいぶ前に去っていたので、美しいグラデーションの干潮の景色を静かにゆっくり眺めることが出来ました。

これもモンサンミッシェルに1泊する旅程で訪れた場合のみ楽しめる光景。皆さんもぜひ、日帰りではなく1泊でご参加してはいかがでしょうか。

昼も夜も珠玉の美しさサンピエール教会

モンサンミッシェル、サンピエール教会。

島のメインストリート「グラン・リュ(Grand rue)」の途中にある小さな「サンピエール教会」。日がだいぶ暮れた頃に訪れました。

モンサンミッシェル、サンピエール教会内。

かつて700人ほどいた住民のために17世紀に建てられた教会です。

こじんまりとしながらも、その繊細な美しさにしばし時間を忘れます。

モンサンミッシェル、サンピエール教会、小規模な建物、繊細な造り。

ここもモンサンミッシェル観光の方に人気がありますが、夜なので人の姿がほとんどなく独特な空気感に包まれています。

百年戦争を起こしたジャンヌ・ダルクの像が印象的。

モンサンミッシェル、サンピエール教会、ジャンヌダルク像。

夜のとばりが下りた時間にこの教会を訪れるのはおすすめなのですが、実は翌日の日中も寄ってみたのです。

それが下の写真。

モンサンミッシェル、サンピエール教会、昼間の様子、ステンドグラスの輝き。

そしたら夜にはついていなかったシャンデリアの灯りがついていて、ステンドグラスも素晴らしい美しさでした。

モンサンミッシェル、サンピエール教会、ステンドグラス。

昼と夜、雰囲気が違っていてどちらも魅力があります。ぜひ両方の時間帯にサンピエール教会を訪れてみてください。

1泊しなくちゃ見られない!光と静寂に包まれたモンサンミッシェルの美しい夜と満潮時の光景

モンサンミッシェル、島内宿泊、夜景。

夜中近くまで修道院までのシャトルバスは動いていますが、宿泊は島内。時間を気にせず夜のモンサンミッシェル散歩が楽しめます。

しかもパリのような危険がないので安心。

夜のモンサンミッシェル、静かな島内、明かりがともる部屋。

人気のない路地や階段から見下ろすと、日中とはまったく別の顔の夜のモンサンミッシェル。

屋根の下は柔らかい灯りがともり静寂に包まれております。

モンサンミッシェル、大潮の日、その前の散策、橋。

大潮のこの日は満潮の時間が21時半近く。その少し前に橋を歩いてみました。

モンサンミッシェル、大潮、浮かぶ島、夜景。

干潮の時は干潟になって対岸とつながっていた島が海に浮かび、荘厳で幻想的な光景となっています。

1泊だから眺めることが出来るこの姿。いつまでもいつまでも眺めていたい思いました。

が、この夜の満潮は結構激しくなるのでマックス時に橋が一時閉鎖になるかも、との情報をエミトラベルのガイドの方が前もって教えてくださっていました

見てみると水がほんと橋のすぐ下まできていたので、うわ~戻らなくちゃ!と急いで島内に戻りました。

モンサンミッシェル、大潮、閉鎖になる橋。

ちょっと面白かったです~。それにしても美しい姿でした。

島の1日がはじまる夜明けのモンサンミッシェル

モンサンミッシェル、日の出、早起き、散策。

前日の20時過ぎ、日の入り時間が曇りになってしまったので、翌日この日の7時半頃の日の出の朝焼けを期待して早めに起床。

早朝のモンサンミッシェ散歩です。

モンサンミッシェル、朝、日の出、朝日待ち。

橋のたもとにはたくさんの食材を積んだトラックがズラリ。世界でも最も有名(?)な世界遺産モンサンミッシェル。

食材の量もすごいです。それが手際よくどんどん島の中に運ばれていきました。

モンサンミッシェル、島の物流、トラック、物資運搬。

こんなモンサンミッシェルの1日のはじまりもなかなか興味深い。

モンサンミッシェル、曇り、早朝、朝日見られず。

結局朝焼けも曇っていて、太陽の姿を拝むことが出来なかったです。

でも前日の霧のラ・ブイユ村、到着した時の青空に映えるモンサンミッシェル、夜の暗闇の中の美しいモンサンミッシェル、そしてこの日の微妙な色合いの空の早朝のモンサンミッシェル。

いろんな光景を満喫です。

モンサンミッシェル、曇り空、全体像、桟橋から。

前日に修道院を見学していたので、この日は16時の帰りの集合時間まで余裕があります。

ホテルで朝食をゆっくり食べてから、スペシャルなモンサンミッシェルの情報探しのために島歩き。

気軽にピクニックが出来る穴場スポットなんかも見つけました。

次回パート(3)はホテルと現地のおトイレ事情を、(4)では現地のグルメ情報を、それぞれ詳しくご紹介させていただきます。

かなり参考にしていただけると思います!ご期待ください。


モンサンミッシェルハネムーン大特集INDEX

  1. (1)モンサンミッシェルへの行き方とツアー参加準備
  2. (2)モンサンミッシェル現地観光ガイド
  3. (3)モンサンミッシェルのホテル・トイレ事情
  4. (4)モンサンミッシェル現地グルメ事情
  5. (5)モンサンミッシェルおすすめのお土産

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