イギリス人が愛するバラ!英国式庭園の主役といえばローズですよね。
フランス式庭園が自分たちの力を誇示するために、徹底的に作り込みデザインされた人工美が特徴とすれば、イギリス式庭園はありのままの自然を生かし、風景画のような美しさを作り出すことが特徴といわれています。
イギリス人にとってバラが特別なのは「パーフェクトな存在」だからという説も!
花は姿形の美しさ、香りは癒しの力、実は栄養(ローズヒップはビタミンC豊富)、葉は調和(バランスの良さ)、根は力強さ(枯れにくい)。そしてトゲは小さな悪魔(きれなものにはトゲがある)。
美しさだけじゃないことが、バラをパーフェクトな存在にしているのですね。
今回は、初夏にイギリスハネムーンを楽しむ際に、ぜひ立ち寄ってほしいバラの名所をご紹介!さらにバラの新品種などを惜しげもなくディスプレイする、ロンドンの老舗5つ星ホテル「ザ・ドーチェスター」の話題もお伝えします。
ところでイギリスの国花が「赤いバラ」なのはなぜ?
バラ好きな方、イギリスの歴史に詳しい方ならご存じかもしれません。
1455年~1485年に起きた「薔薇戦争」。王位継承を競い合うランカスター家とヨーク家の戦いのことです。
ランカスター家の家紋が赤いバラ「ロサ・ガリカ・オフィキナリス」、ヨーク家の家紋が白いバラ「ロサ・アルバ」だったことから「薔薇戦争」と名付けられたといいます。
争いに勝ったのがランカスター家でだったことから、国花が赤いバラになったというわけです。
その後、ランカスター家にヨーク家のエリザベスと結婚することで、勢力をまとめ上げ「テューダー・ローズ」が生まれます。テューダー・ローズは、赤いバラと白いバラを重ね合わせた、イングランドの伝統的な花の紋になりました。
ちなみにアロマテラピーで使われているローズの精油は主に、「ロサ・ダマスケナ=ダマスク・ローズ」と呼ばれる薫り高いバラが使われます。古代から愛され続けてきたエレガントで華やかな香りが特徴。
姿形だけではなく、香りのよさもバラの魅力ですね。
バラの香りがハネムーンにおすすめの理由
アロマテラピーに興味がある方なら、バラの精油がもたらす素晴らしい作用についてをご存じかと思います。
バラは古代ギリシャで愛と美の神アフロディーテ(ヴィーナス)になぞらえています。クレオパトラはバラをふんだんに使い、古代ローマの軍人・カエサル(シーザー)やアントニウスを虜にしました。
ローズに含まれる芳香成分には、気持ちを落ち着かせ、ストレスを緩和させる効果があるといわれています。また、ホルモン調整作用が期待できることから、女性特有の悩み(生理周期の乱れ、PMSの緩和など)によいそうです。
ローズの香りは300種類以上の芳香成分から成り立っているといわれ、その9割以上が分析・解明しているそうです。しかし、芳香成分のうちごく微量に含まれている成分が何かわからないため、いまだに本物のローズの香りを再現できていません。
ローズのような香りは数々あれど、本物のバラの香りに勝るものはなし!ぜひ、ハネムーンで英国のローズガーデンを訪れて、ご主人を虜!?にしてみませんか?
華やかで濃厚、甘く優しいバラの香りに包まれたハネムーン。その香りをかぐたびに楽しい思い出が蘇ることでしょう。
イギリスハネムーンで旬のバラを楽しむのにおすすめの時期は6月~7月中旬
日本でバラの見ごろは5月~6月の初夏と、10月~11月の秋。旬のシーズンでは各地でバラまつり(ローズフェスティバル)が開催されます。
日本の北海道よりも北に位置するロンドンでは、それよりも遅く、6月から7月中旬頃にピークを迎えます。
日本でバラを楽しんだ後、イギリスでも楽しむ、なんて贅沢ですね。
ロンドンのホテル「ザ・ドーチェスター」で新種のバラが楽しめる!?
ロンドン・ハイドパークのすぐ脇に立つ「ザ・ドーチェスター」。世界でラグジュアリーホテルを展開する「ドーチェスター・コレクション」の一つであり、フラグシップホテルでもあります。
数々のセレブや英国王室から愛されてきたその歴史は古く1931年創業。ダイアナ妃との結婚前日に、チャールズ皇太子が滞在したことでも有名です。
ロビーや客室、ウェディングの際に飾られる花は、フローリストのフィリップ・ハモンド氏によるデザイン。
季節ごと、有名なイベントごとにアレンジを工夫していますが、2020年1月20日から新しいバラの豪華なディスプレイがスタートしました。
最高品質のバラを創ることで有名な「メイジャー・ローズ」が手掛けた新しい品種。そのバラに「ドーチェスターローズ」と名付けたそうです。
淡い赤味がかったつぼみから、開花するとソフトで優美なピンク色の色調に。巻がたっぷりとした花弁は最高にゴージャスな印象を与えます。
メイジャー・ローズのマネージングディレクター・ジョンメイジャー氏は、アレンジメントや花のディスプレイに並外れた才能を発揮する、フィリップ氏とのコラボレーションで「“ザ・ドーチェスター”は完璧で革新的な美しさに生まれ変わる」と称賛しています。
バラの旬は初夏ですが、もうすでに「ザ・ドーチェスター」の中は、バラでいっぱい!ぜひ英国ハネムーンで足を運んで欲しいスポットの一つになっています。
ロンドン近くでぜひ立ち寄りたいおすすめのバラの名所は?
バラ好きの英国人。あちこちにバラで有名な庭園があります。ホテル「ザ・ドーチェスター」があるハイド・パークの一角にも、バラ園があり、さまざまな草花や樹木を混植し、イングリッシュ・ガーデンらしい景色を楽しむことができます。
この他にもハネムーンで気軽に立ち寄れる庭園やバラの名所がありますので、厳選してご紹介しましょう。
1932年メアリー王妃により一般公開された「クイーン・メアリーズ・ローズ・ガーデン」
ロンドン市内にある王立公園リージェンツ・パークのやや南にある「クイーン・メアリーアズ・ローズ・ガーデン」。園内にはオールドローズ、イングリッシュローズ、モダンローズなど約12,000本のバラが植えられています。
歩き疲れたらガーデンカフェでアフタヌーンティーをいただいてもいいですし、初夏にはバラ園の中でピクニックを楽しむのもおすすめ。
ぜひハネムーンでロマンティックなランチを計画してみては?レジャーシートをお忘れなく。
世界遺産になっている王立植物園「キュー・ガーデンズ」
テムズ川沿いにある広大な「キュー・ガーデン」。その中にある巨大温室・パーム・ハウスのすぐそばにあるバラ園は、キュー・ガーデン創立250周年を記念して作られたものです。
「キュー・ガーデン」は、その他にも草の庭園「グラス・ガーデン」や日本の岡崎市にあった民家が移築された「MINKA HOUSE」、英国王室最小といわれる宮殿「キュー・パレス」など、見どころがたくさん!
もちろん、アフタヌーンティーが楽しめる「オランジェリー・レストラン」もありますので、お散歩がてらら訪れるのもおすすめですよ。
日帰りでアクセス可能「ハンプトン・コート宮殿」のローズガーデン
ロンドンの「ウォータールー駅」から電車で約40分。イギリス王室の豪華で自宅な暮らしを垣間見ることができるハンプトン・コート宮殿は、英国最大のフラワー・ショー「チェルシー・フラワー・ショー」が開催される舞台でもあります。
世界の園芸トレンドを左右するともいわれるイベントで、エリザベス女王が総裁を務めています。
ハンプトン・コート宮殿はヘンリー8世の王宮であり、歴代の王室が作った大庭園は一見の価値あり!宮殿の裏手に広がるローズ・ガーデンと合わせて、宮殿ツアーを楽しんでみては?
ちなみに2019年の「チェルシー・フラワー・ショー」では日本から出展した2つの庭が金賞を受賞したそうですよ。2020年は5月下旬に開催予定。
また、2016年7月にこのチェルシー・フラワー・ショーを題材にした映画が日本で封切られました。
タイトル「フラワーショウ!」は、チェルシー・フラワー・ショーに実際に挑んだ、アイルランド出身のメアリー・レイノルズの物語。
権威主義がはびこるショーの歴史を塗り替える、雑草とサンザシの木だけという型破りな庭が大絶賛を浴びるストーリーです。
とてもいい作品ですので、ぜひ英国を訪れる前にご覧になってみては?チャールズ皇太子のそっくりさん!?も登場します。
初夏の英国ハネムーンでバラづくしの旅を楽しむまとめ
イギリスハネムーンで任期なのは、なんといってもハリー・ポッターのロケ地巡り!英国王室ゆかりの場所を訪ねたいという方も多いことでしょう。
見どころはいろいろありますが、せっかく初夏に訪れるなら、ぜひ英国式ガーデンを楽しんでいってみては?フランスとの周遊で、庭造りの違いを体感するのもおもしろいですね。
ヴェルサイユ宮殿とハンプトン・コート宮殿の比較もおすすめです。
初めての海外旅行が新婚旅行という場合、いろいろ不安なことも多いかもしれません。海外は初めてじゃないけど、ヨーロッパは初めてという方にとっても同じ。
ホテル選びや観光、アクティビティなど、後悔しないハネムーンプランをつくりあげるなら、プロに任せるのがいちばん!ハネムーンSなら、新婚旅行専門の旅行会社がばっちりサポートしてくれますよ。
なお、「ザ・ドーチェスター」では、1年中エレガントなバラを使ったディスプレイを行っているとのこと。初夏のシーズンを逃してしまっても、バラ尽くしを楽しめますのでご安心を。
ただし、レストランやカフェも含め、人気のホテルなので、早め早めにご予約がおすすめです!
■取材協力
ザ・ドーチェスター The Dorchester
住所:Park Lane, London W1K 1QA
電話:+44 (0) 20 7629 8888
ドーチェスターコレクション予約センター:0120-914-084
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