出入国の際には、審査以外に税関を通る必要があります。
税関って日常生活にはほとんど関係がないので、何をするか気になりますね。
国外に出る時、帰ってくるときの税関の流れを説明します。
なぜ税関を通るの?
海外に行く時は、個人であっても出入国時に税関を通る必要があります。
税関では、手荷物やお土産の中に、免税範囲を超えるものや、輸入出が禁止・規制されているものを調べる必要があるのです。
出国時に空港の税関で申告が必要なもの
日本を出国する際、以下のものに関しては、税関でチェックを受ける必要があります。
該当しない人は税関を通る必要はありません。
1.外国製品(時計やバッグ・アクセサリーなどの海外ブランド品)
「外国製品の持出し届」に製品名・数量・特徴などを記入し、出国の税関カウンターで確認を受けます。
この手続きをしないと、帰国時に外国で購入された製品と区別ができず、課税されることがあります。
機内預けにする場合は、航空会社に預ける前に税関で確認を受ける必要があります。
2.100万円以上の現金など
麻薬犯罪などに絡むマネーロンダリングを防ぐため、海外に持ち出せる現金の額は制限されています。
現金(外貨含む)、小切手(トラベラーズチェックを含む)などの100万円相当額を超える場合は、「支払手段等の携帯輸出・輸入申告書」を提出します。
「外国製品持出し届」および「支払手段等の携帯輸出・輸入申告書」の用紙は、各空港の税関検査場にあります。
帰国時に必要になるので失くさないよう、注意しましょう。
出入国書類の書き方
到着が近くなると、機内で「税関申告書」と「出入国カード」が配られます。
旅行会社によっては、「出入国カード」を出発前に配布してくれることもありますので、その場合は、搭乗前に書いておくといいでしょう。
出入国書類のフォーマットは、ユニバーサル仕様でなく、国によって多少異なります。
どちらも渡航先の入国審査に必要な書類なので、着陸するまでに記入しておきましょう。
◆書く時の注意点
- 基本的には英字(大文字)で記入する(中国や韓国などでは、漢字で氏名を記入できる国もあり)
- 「出入国カード」は一人ずつ記入、「税関申告書」は夫婦で1枚でOK
- 「税関申告書」「出入国カード」のいずれも、最後の署名欄は「パスポートに書いた署名」と同様に記入する。渡航先に関係なく、英語でも漢字でも可
JALのホームページには、国別に出入国書類の書き方が掲載されているので、チェックしてみてください。
渡航先の税関で聞かれること
到着後、入国審査を無事通過したら、飛行機内に預け入れた荷物を引き取り、最後に税関検査に進みます。
税関では、輸入を禁止されているものなどを国内に持ち込もうとしていないかをチェックします。
飛行機内で配布される「税関申告書」がきちんと記入してされて、申告するものがなければ、たいていは問題なく通ることができます。
ただ、たばこやお酒、食品や家電等については、国により持ち込み制限がありますので、事前に渡航先の政府観光局Webサイトなどで確認しておきましょう。
税関では以下のような質問をされます。
入国審査と並んで緊張するシーンですが、聞かれることはたいてい決まっています。
質問:Do you have anything to declare? (申告する物はありますか)
回答: I have nothing to declare. /Nothing.(何もありません)
質問:What’s in your suitcase?(スーツケースの中には何が入っていますか?)
回答:I have some clothes and private items.(服と私物です)
質問:Can you open your bag, please?(バッグを開けて下さい)
回答:Sure!(もちろんです)
◆税金を支払う必要がある場合
You have to pay duty on this.(これには税金がかかります)
人気エリア別国別持ち込み・持ち出し禁止品目
海外に行く時は、渡航先の持ち込み・持ち出し禁止品を調べておきましょう。
銃器や麻薬はもちろんNGですが、それ以外のおもな持ち込み・持ち出し禁止品を国別に紹介します。
【ハワイ】
◆持ち込み禁止
- 土
- 肉製品(ハム・ソーセージのほか、エキスや乾燥肉を使った、即席めんやスナックなどを含む)
- 動・植物
- 食品
- コピー品
◆持ち出し禁止
制限はないものの、トラベラーズ・チェックなど現金以外も含め、US10,000ドル以上は申告が必要。
【イタリア】
◆持ち込み禁止
- 医薬品、保護が必要な動物及び植物など
- 鳥インフルエンザの影響を受けたすべての国の鳥類、タイ産の鶏肉および鶏肉製品、東南アジア産の鶏卵、白身の肉
- 肉・肉製品
- 牛乳・乳製品
≫ハネムーンで注意!イタリアお土産で“日本持ち込み禁止”なものは何?
◆持ち出し禁止
制限はないものの、トラベラーズ・チェックなど現金以外も含め、US10,000ドル以上は申告が必要。
【モルディブ】
◆持ち込み禁止
- アルコール飲料
- 豚肉(ハム、ソーセージを含む)
- 信仰対象となる偶像
◆持ち出し禁止
- 亀(ベッコウなど)
- 黒サンゴなど
【オーストラリア】
◆持ち込み禁止
- 全動植物、淡海水生物類、昆虫類
- 種、土壌
- チーズを含む酪農製品、卵製品
- 缶詰でないすべての肉類
- 青果物(生及び冷凍)
- 機内で消費しなかった食料品など
◆持ち出し禁止
- 動物・鳥類とその卵、魚類、爬虫類
- 植物、種、珊瑚、貝類、および以上のものを材料とした製品
- オーストラリア遺産として指定された芸術品
- 考古学的物体、鉱物、標本、切手、記念コインなど
【タヒチ】
◆持ち込み禁止
- 動物性食料品(肉製品など)
- 果物・植物・生花など
◆持ち出し禁止
外貨及び現地通貨の制限はないものの、7,600ユーロ相当額以上は申告が必要
海外旅行で買い物をした時の免税手続き
海外でのお楽しみの一つが、ショッピング。
憧れのハイブランドを、この機会に手に入れようと期待しているハネムーナーも多いのではないでしょうか。
海外で買い物をする時に絶対抑えておきたいのが、免税手続き。
免税手続きをすることで、税金がかえってきます。
免税って何?
海外で買い物をすると、高い税金が課せられます。
この税金の中には、本来旅行者が払う必要のないものも含まれているので、その分を帰してもらうのが免税手続きです。
空港内などにある免税店は、すでに免税されている価格で販売しているので、ここで買い物をしても、別途免税手続きをする必要はありません。
免税を受けるには
免税を受けるのは、国ごとに定められた「免税最低購入額」以上の商品を買った時に限られます。
ただしホテルの宿泊代や飲食代など、現地で消費するものに関しては、免税は適用されません。
免税の手続き
海外で買い物をした時の、基本的な免税手続きを説明します。
1.買い物をしたショップで免税書類を発行してもらう
「TAX FREE」「TAX REFUND」などの表示があるショップで、その国の免税最低額以上の商品を購入したら、パスポートを提示して「免税書類」を発行してもらい、レシートと共に保管する。
2.空港の税関で免税書類にスタンプを押してもらう
出国する際、税関で、購入した商品・レシート・パスポート・免税書類を提示。
免税書類に輸出承認印を押してもらう。
免税を受けたいものはまとめておくとスムーズ。
3.免税書類を提出して還付金額を受け取る
空港の払い戻しカウンターに免税書類を提出し、還付を申請する。
現金やクレジットカードなどから、払い戻しの方法を選択できる。
払い戻しサービス会社「グローバル・ブルー/Global Blue」加盟店での買い物なら、成田国際空港に免税書類投函ポストが設置されてるので、海外初心者はここを利用すると便利。
免税手続きの注意点
1.免税品は開封しない!
買ったものを出国前に開けてしまうと、免税が適用されません。
空港の免税店で買ったものなど、すでに免税されているものは、開封してもOK。
2.日本の免税範囲を超えない!
日本に免税品を持ち込む場合、一人あたりの免税の範囲が決まっています。
この範囲を超えてしまうと、関税がかかることになります。
せっかく免税で安く手に入れたのに、帰国後に関税を払うことになったら本末転倒ですね。
◆海外旅行者一人当たりの免税範囲
- 酒類1本760mlのもの3本
- たばこ400本以内(葉巻は100本以内)
- 香水2オンス
- その他20万円(外国市価の合計金額)
免税範囲を超えた商品については、品物の種類など応じた税率によって税金が課せられます。
帰国時の税関手続き
日本に帰国する際には、機内で配布される「携帯品・別送品申告書」を全員が記入して税関に提出しなければなりません。
出入国カードは外国籍の人だけが記入します。
「携帯品・別送品申告書」では、日本への輸入が禁止・制限されているもの、免税の範囲を超えるものを携帯しているかをチェックします。
なお「別送品」とは、海外から日本へ郵送するなどして、帰国時に手元にないものを指します。
別送品の申告は入国後には行えないの注意してください。
なお、100万円相当額の現金などを持ち込む場合は、別途「支払手段等の携帯輸出・輸入申告書」を提出します。
入国時の手続き(流れ)
海外から日本に帰国した時の到着から入国するまでの各手続の流れは以下のとおりです。
- 1.検疫
- 2.入国審査
- 3.動物検疫・植物検疫
- 4.税関
税関ですること
日本への輸入が禁止・規制されている品の有無、免税範囲を超える品の有無などについてチェックします。
「携帯品・別送品申告書」はここで提出します。
日本への持ち帰りが止められるもの
関税定率法やワシントン条約によって、海外から日本へ持ち込めないものが定めれらています。
麻薬や銃などはもちろん持ち込み禁止ですが、ハネムーナーが知らずに日本に持ち込んでしまいがちなものをまとめました。
◆ブランドのコピー商品
有名ブランドのニセモノは持ち込み不可。
自分が本物と思って買っても、税関でニセモノと判明したら持ち帰ることはできません(わざとで無ければ罪には問われない)。
ハイブランドのショッピングは楽しみの一つですが、直営店などの信頼できるお店で購入しましょう。
◆ワシントン条約で決められたもの
ワシントン条約で定められている毛皮、皮革製品、象牙製品などは持ち込むことができません。
トラやヒョウといったネコ科の動物の毛皮、ワニやトカゲなどは虫類の皮で作られたものは規制の対象になります。
◆食品・植物
日本にはいない寄生虫や病原菌を持ち込ませないため、以下のものはそのまま持ち込むことができません。
- 肉製品(ハム・ソーセージ、点心など)…輸出国が発行する検査証明書があれば持ち込み可能。アメリカ・カナダ産ビーフジャーキーはすべて不可
- 生の果物
- 植物の種
- 土のついた花など
乳製品・はちみつ・ドライフルーツや魚類は、日本に持ち帰ることができます。
ハネムーンSなら初めての海外旅行でも安心
税関と聞くと、ちょっとどきどきしてしまいますね。
初めての海外旅行なら、なおさらです。
でも事前に日本や渡航先の持ち込み・持ち出し禁止(制限)について調べておけば、心配することはありません。
心配なことはもちろんハネムーンSで質問してください。
ハネムーンのプロがプランニングだけでなく、海外旅行のふとした疑問にもお答えします。