新婚旅行でローマに来て、コロッセオを目にしないことはまずないでしょう。
「半日観光ガイド付きだと、コロッセオ広場から説明を聞きながら、外観をバックに写真を撮り、次の観光地へ行く」というのが、一般的です。
しかし、自由時間があるのであれば、是非コロッセオの中に入ってローマ人の魂を感じてみるのはいかがでしょうか。
今回はコロッセオ見学で思い出深い観光になるように、少し歴史と知識をご紹介します。
入場チケットはあらかじめネットで購入するのがおすすめ。チケット売り場の長い長い列に並び、時間を無駄にしなくて済みます。
もちろん、オリジナルプランをお願いした際に、ハネムーンコンシェルジュにお願いして、あらかじめ手配しておいてもらうのもいいでしょう。
豆知識(1)世界遺産コロッセオはいつ作られた?
コロッセオの建築年は70年から始まり、80年に完成しました。いまから1940年前の建物です。
この巨大なコロッセオは、フラウィウス皇帝が建築を始めたので「フラウィウス競技場」と呼ばれていました。
でも、前の皇帝ネロ皇帝(悪い奴でした)のデッカイ像が脇に建てられていたので、「巨大=コロッセオ」という俗名がついた、あるいは、競技場が巨大だったためコロッセオと俗名がついたなど、さまざまな説が残っています。
豆知識(2)コロッセオの中に水をためて船での戦いも行われてた!
コロッセオ全盛期。コロッセオ内に水をためて、船での戦いも行われていました。
もともとこの地は湿地帯であり、地下には水路が走っていたことから、コロッセオ建設前(ネロ時代)は人工池でした。
その為コロッセオに水を引く事は難しい事ではなかったし、排水することにより、次の日には騎士や猛獣による陸上競技が行う事が出来ました。
今から2000年前の技術で、すでこのようなシステムができたのだから驚きですね。
豆知識(3)コロッセオ内には「せり(舞台装置)」まであった!
コロッセオは、ローマ市民の娯楽施設のためにできた競技場です。
現在の劇場などでみられるような、舞台の一部をくりぬき、地下から地上へ人やモノを押し上げるような昇降システム「せり」の跡が残されています。
コロッセオ地下部分から、人力により上下させる箱(リフト)があがり、剣闘士や猛獣が瞬時に地上に現れるように演出していたのです。
さぞ、盛り上がったことでしょうね!
豆知識(4)大勢の観客を収容し、スムーズに退場させる仕掛け
高さ48.50m、1階のポルティコ出入り口は80か所。
観客席は4階層に分かれていて、下から、元老院(政治家と思ってください)、お金持ち、騎士、一般市民(女、子供含)と座る席が分かれています。
退場する時に、最上階から人が押し寄せてくると、下層階のお偉い方たちの退出に支障がでます。このため、上の階に行くほど階段が細く作られていました。
つまり上から降りてくる人が、押し寄せてこないように工夫がされていたのです。
このちょっとした工夫で、収容人数5万人の観衆が数分で退場できたのはすごい事ですよね。
現在、北側のコロッセオ側面がその当時の高さです。南側は崩されていたり、長年さらされていたため崩れた部分があり、低くなっています。
豆知識(5)コロッセオの壁が途中までなくなってるのはなぜ?
ローマでは4世紀から、教会建設が盛んになり教会は長い年月をかけて増築されていきます。
ルネッサンス時代には、石材を利用して建築を進めたため、コロッセオもどんどん形が崩されていきました。
そこで、コロッセオ内でキリスト教の殉教があったという理由のもと、ベネディクト14世教皇が、この地を聖地と認定。このことにより、コロッセオからの石材の持ち出しが禁止されたため、今の形で留まる事で収まりました。
コロッセオ内に入ると(コロッセオの周りも)石材がゴロゴロしています。この石材は持ち出しできなくなりそのままそこに置かれた石材です。
コロッセオ内で地面に大理石が敷かれている部分がありますが、当時はこのように飾られていたのです。
外観も立派なリリーフや彫刻などが飾れれていましたが、外されたため、今のようにごつごつとした石の塊です。
コロッセオは今でも何かしらが発掘されています。
2008年には、騎馬の彫刻が見つかりました。まだまだ謎の多いコロッセオですが、ローマ人は、この競技場で熱く燃える戦いを観戦したのでしょうね。
豆知識(6)サッカースタジアムはコロッセオが原型
コロッセオの形は、今のサッカースタジアムにも大変な影響を与えています。
サッカー競技場と同じように、当時は、観客席に「物売り」が回ったり、ミニ屋台が繰り出されたりと楽しく観戦できたそうです。
いかがでしたでしょうか?ほんのちょっと知識を入れて世界遺産コロッセオを見学すると、ローマ時代の空気を感じる事でしょう。
新婚旅行でローマの世界遺産巡りも楽しんでくださいね。
ローマより 桜子
※コロッセオ内や入り口付近での待ち時間や、写真を撮るときなどスリ(ジプシーの女の子たちが多い)にはご注意くださいね。
※遺跡周辺は観光客目当てのカフェやバールが多く、びっくりするほど高いことがあります。夏場は水分補給が欠かせませんので、お手軽に入手できるスーパーを利用してみましょう。
<Information> コロッセオ Colosseo
http://archeoroma.beniculturali.it/
住所:Piazza del Colosseo, 1, 00184 Roma
行き方:地下鉄B線「コロッセオ(Colosseo)」駅から徒歩1分
※ローマの2階建て観光バス(乗り降り自由)でもコロッセオを通ります。
料金:大人:12ユーロ、18歳以下は無料
※特別展開催中は追加料金あり、内部に入るにはフォロ・ロマーノと共通の2日券で入場可能
【関連記事】
新婚旅行でローマの遺跡エリアを効率よく観光で回るコツ