海外旅行初心者にとっては、ちょっとハードルの高い国際線の乗り継ぎ。
初心者なら直行便がオススメなのですが、中には日本からの直行便が出ていない場所もあります。
国際線の乗り継ぎは電車の乗り換えとはワケが違うので、注意が必要です。
でも旅立つ前に流れを確認しておけば、問題ありません。
到着地以外に空港を体験できる楽しみもありますよ。
国際線の乗り継ぎの流れと注意点を説明します。
乗り継ぎとは?トランジットって?
飛行機で、ノンストップで目的地に向かうのが直行便。
一方目的地以外の空港でいったん飛行機を降り、目的地に向かう飛行機に新たに乗ることを「乗り継ぎ」といいます。
乗り継ぎ前後が同じ航空会社であっても、異なる航空会社であっても、飛行機を乗り換えるのであれば、すべて「乗り継ぎ」になります。
ちなみに燃料や機内食などの補給目的などで、目的地に着く前に別の空港に着陸し、また同じ飛行機で目的地まで向かうケースは、経由便と呼んでいます。
トランジットとは?
いったん降りた空港で、次の便を待つことを「トランジット」と言います。
同じ乗り継ぎでもストップオーバーという言葉をよく聞きます。
トランジットとストップオーバーの違いは滞在時間。
経由地での滞在時間が24時間以内だとトランジット、それを超えるとストップオーバーと呼ばれます。
ハブ空港って何?
多くの航空路線が集まり、乗り継ぎの拠点となる国際空港をハブ空港と呼んでいます。
航空路線網を車輪に見立てた場合、放射状に伸びる航空路線の中心にあるのが「ハブ」なので、ハブ空港と呼ばれるようになりました。
ロンドンのヒースロー空港、ドイツのフランクフルト空港、アジアではシンガポールのチャンギ空港などが有名。
乗り継ぎの時間は3時間は必要
国際空港での乗り継ぎを行う場合は、少なくとも3時間の乗り換え時間を確保しておきましょう。
飛行機の乗り継ぎは電車とは訳が違って、荷物の受け取りや手荷物検査などの時間を考慮する必要があります。
また、同一航空会社への乗り換えは、次に乗る便の搭乗口が近いことが多いのですが、別会社の便へ乗り換える場合は、ゲートがかなり離れていることもあります。
こういった移動時間や遅延などのアクシデントも考慮して、余裕のある日程を組みましょう。
出発時のチェックインで確認すること
乗り継ぎをする場合、日本の空港の出発カウンターでは、以下のことを確認しましょう。
【搭乗券】いつ・どんな風にもらえるの?
◆乗り継ぎ後も同じ航空会社を利用する場合
搭乗券は一つのフライトにつき一枚発券されます。
基本的に日本でチェックインする時、乗り継ぎ後の搭乗券も一緒に受け取ることができます。
この場合、トランジット先で、あらためてチェックインをする必要はありません。
念のため、チェックインカウンターで、トランジット先での手続きが必要か確認しておきましょう。
◆別の航空会社で予約した場合
日本の空港では、乗り継ぎ後の搭乗券を発券してもらえないこともあります。
その場合は、経由地で乗り継ぎカウンター(transfer counter)に行くか、一度入国して、乗り継ぐ航空会社のカウンターでチェックインをする必要があります。
【荷物】トランジット先で受け取る必要はある?
◆乗り継ぎ後も同じ航空会社を利用する場合
乗り継ぎ後の搭乗券もいっしょに発行された場合、基本的にトランジット先で荷物の預け替えは必要ありません。
最終目的地まで運ばれるケースがほとんどですが、念のため出発カウンターで確認しましょう。
◆乗り継ぎ後は別の航空会社で予約した場合
トランジット先で一旦入国して荷物を受け取り、乗り継ぎ後の航空会社のカウンターで改めてた預け入れた後、出国する手続きをしなければなりません。
航空会社や空港によって扱いが異なることもあるので、搭乗券と同様、出発カウンターで確認しておきましょう。
出発カウンターで荷物を預け入れた時に発行される「バゲージクレームタグ」には、荷物の行き先が印字されています。
行き先がどこになっているかを自分でも確認すると安心ですね。
トランジット先で荷物の受け取りが必要なのに忘れた場合、ロストバゲージになってしまうので要注意です。
▼おすすめ記事
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・空港に到着したら荷物が出てこない!イタリアハネムーン中にロストバゲージに遭ってしまったら?
飛行機乗り継ぎの具体的な流れ
経由地に到着したら、まず時計の時刻をの現地時間に調整をしましょう。
自分の時計を日本時間のままにしておくと「まだ乗り継ぎに時間がある」と勘違いをしてしまうこともあります。
荷物の預け直しが必要ない場合は、入国する必要なし
- 1.到着後、「Flight Connection」「Transfer」(乗り継ぎ)に向かって移動
- 2.「Security Check」(手荷物検査場)で手荷物検査を受ける
- 3.トランジットエリアに移動したら、次の飛行機の搭乗ゲートを確認
- 4.時間になったら搭乗口へ
単に人の流れについていくと、入国審査に間違えていってしまうので要注意です。
トランジットエリアは、一般的な待合フロアと同じで、ショッピングや食事など楽しむことができます。
荷物の預け直しが必要な場合は、一旦入国する
- 1.到着後、「Immigration」(入国)「Arrivals」(到着便)に向かって移動
- 2.「Immigration」「Passport Control」で入国審査
- 3.「Baggage Claim」(荷物受け取り)で荷物を受け取る
- 4.到着出口から出て、次の航空会社にチェックイン&荷物預け入れ
- 5.再度手荷物検査
- 6.出国手続き
- 7.出発ゲートへ
空港の外に出ることはできる?
トランジット待機時間がかなり長くなる場合は、入国審査を経て、空港の外に出て観光することもできます。
ただ短期の入国でもビザが必要な場合は、事前に取得しておく必要があります(その場で発行してくれる国もあり)。
空港の外に出る場合は、乗り継ぎの飛行機に乗り遅れないよう、時間には充分余裕をもって行動しましょう!
観光後の出国審査や手荷物検査を受けることを考えると、少なくとも4~5時間は必要です。
▼おすすめ記事
・乗り継ぎ時間だけでも満喫できる「オランダトランジットツアー」
知っておきたい、空港の英語表記
海外の空港では日本語が併記されていることもありますが、基本は英語。
混乱しないように、あらかじめ確認しておきましょう。
- Departures(出発便)
- Arrivals(到着便)
- Transfer/Connection Flights/Connections(乗り継ぎ)
- International(国際線)
- Domestic(国内線)
- Boarding Gate(搭乗口)
- Immigration/Passport Control (入国)
- Security Check(手荷物検査)
- Baggage Claim(荷物受け取り)
- Customs(税関)
- Declare(申告)
国際線の乗り継ぎパターン例
ハネムーンで人気の国(エリア)でも、乗り継ぎをして行く場合があります。
おもな国(エリア)への乗り継ぎの仕方を紹介します。
1.ハワイのホノルル空港から離島への国内線乗り継ぎ
ハワイ島やマウイ島、カウアイ島などの離島(インターアイランド)に行くには、ハワイのホノルル空港で乗り継ぎをする必要があります。
ホノルル空港のターミナルは合計三つで、日本からの便は全てターミナル2に到着します。
到着後、荷物はいったん受け取ることになっています。
- 1.到着後、「Interisland Flights」に向かって移動
- 2.入国審査後、荷物を受け取り、税関を通過
- 3.乗り継ぎ用の手荷物預かりカウンターへ預け直します
- 4.国内線ターミナル(インターアイランドターミナル)に移動※
- 5.国内線ターミナルでチェックイン
- 6.出発ゲートへ
※ターミナル2は徒歩5分程度の距離、ターミナル3は空港内のシャトルバス「ウィキウィキバス」を利用するのがオススメ。
2.アメリカのハブ空港から国内線に乗り継ぎ
広大なアメリカでは、目的地に行くためには、サンフランシスコ空港やダラス空港のようなハブ空港から、国内線に乗り継ぐ必要があることも。
入国した空港で入国審査を受け、荷物もいったん受け取った後に、国内線に乗り継ぐ流れになります。
ハブ空港は非常に広い場合が多いので、乗り継ぎの際はターミナル間を走るバスなどを利用して。
一般的なアメリカのハブ空港→国内線乗り継ぎの流れは以下の通り。
- 1.到着後、「Immigration」(入国)「Arrivals」(到着便)に向かって移動
- 2. 「Immigration」「Passport Control」で入国審査
- 3.「Baggage Claim」(荷物受け取り)で荷物を受け取り、税関を通過
- 4.「Connecting Flight」「Transfer」「Transit」(乗り継ぎ専用出口)へ移動
- 5.国内線の航空会社に荷物を預け入れる
- 6.国内線ターミナルに移動
- 7.国内線ターミナルでセキュリティチェック
- 8.出発ゲートへ
3.アジアの国際空港からモルディブへの乗り継ぎ
ハネムーナーに大人気の地、モルディブ。
どこを経由しても乗り継ぎ時間は長くなります。
◆日本→シンガポール(チャンギ国際空港)→モルディブ(マーレ空港)
広大な面積を誇るシンガポールのチャンギ空港は、映画館あり・プールアありとエンターテインメント性にあふれ、単なる乗り継ぎではもったいないほど。
乗り継ぎでも荷物は到着地まで運んでくれるので、入国してピックアップする必要がありません。
次の便に乗る直前に、手荷物検査があるのも特徴です。
なおトランジット利用者に向けた無料のシティツアーに参加する場合は、入国審査が必要です。
- 1.到着後、「Transfer」に向かって移動
- 2.掲示板で乗り継ぎ便の出発ゲートを確認
- 3.乗り継ぎ専用カウンター「Transfer Lounge」で手続き(乗り継ぎ便の搭乗券がある場合はスルー)
- 4.徒歩またはモノレール「Skytrain」を利用して、出発ゲートまで向かう
- 5.保安検査(手荷物検査)
- 6.搭乗口へ
◆日本→アラブ首長国連邦(ドバイ国際空港)→モルディブ(マーレ空港)
世界第三位の面積を誇るドバイ国際空港は、とにかく広大。
日本からドバイ国際空港への直行便(エミレーツ航空)が発着するのは、ターミナル3。
なんとターミナル3はエミレーツ航空専用なのです。
ドバイ発モルディブへの便もターミナル3なら、ドバイ空港ではチェックインは必要ありません。
ただドバイ国際空港は広く、ターミナルの端から端まで徒歩20分程度かかるので、乗り遅れないよう注意して。
ターミナル内は、シャトルトレインも運行しています。
- 1.到着後、赤で書かれた「Connections」に向かって移動
- 2.電光掲示板で出発便のゲートを確認
- 3.手荷物検査を受ける
- 4.「All Departure Gate」と書かれた案内に沿って進む
- 5.出発ゲートへ
4.ヨーロッパのハブ空港から各国へ乗り継ぎ
ヨーロッパ周遊のハネムーンに出る場合に知っておきたいのが、シェンゲン協定。
シェンゲン協定に加盟している国家間では、出入国審査なしで国境を越えることができます。
つまり入国審査は、最初に入国した加盟国で受ければ、次以降に訪れる国では必要ありません。
加盟国から加盟国への乗り継ぎと、非加盟国から加盟国への乗り継ぎ方法について紹介します。
◆日本→ドイツ(フランクフルト国際空港) →スペイン(マドリード)
ドイツもスペインも協定国なので、最初に入国した国(ドイツ)でのみ、入国審査と機内持ち込み手荷物の税関と検査、目的地のマドリード(スペイン) では預け入れ荷物の税関と検査だけを行います。
- 1.フランクフルト到着後、「Connecting flights」(乗り継ぎ)に向かって移動
- 2.「Immigration」(入国審査)を受ける3.手荷物の税関申告
- 3.手荷物検査場
- 4.出発ゲートへ
- 5.到着地(マドリード)で預け入れ荷物の税関・検査
◆日本→イギリス(ヒースロー空港)→スペイン(バルセロナ)
英国はシェンゲン協定には加盟していません※
荷物を最後の目的地(バルセロナ)まで預けた場合、一旦入国審査を受けて入国し、荷物を受け取る必要はありません。
- 1.ヒースロー到着後、「Flight Connections」(乗り継ぎ)に向かって移動
- 2.セキュリティチェックをうける
- 3.出発ゲートへ
- 4.到着地(バルセロナ)で、入国審査と税関・手荷物検査
なお、荷物を受け取る場合は、一般的な乗り継ぎの流れと同じです。
※英国のほか、クロアチア、ルーマニア、ブルガリアはシェンゲン協定に加盟していません。
トランジットの注意点や楽しみ方までハネムーンSに相談
乗り継ぎへの不安は解消されましたか?
基本的な流れを把握していれば、心配することはありません。
海外の空港は楽しく過ごせる工夫がいっぱいなので、トランジットを楽しむのもハネムーンの楽しみの一つです。
トランジットの注意点や過ごし方も含めて、ハネムーンのプランニングはハネムーンSに相談してくださいね。