「パッサージュ(passage)」とは、18世紀後半からパリ右岸を中心に作られた歩行者専用アーケードのこと。一時期は100単位であったとされています。
時代の移り変わりと共にどんどん減っていき、現存しているのはパリ最古といわれるパッサージュ・デ・パノラマ。
そして、豪華できらびやかなパッサージュ・ヴィヴィエンヌ、レトロな雰囲気のパッサージュ・ジュフロワなど十数か所だけです。
時を経た現在では、18世紀、19世紀当時の雰囲気が味わえるパッサージュは、パリ右岸の人気スポットとなっております。
その後、2018年にまったく新しい現代のパッサージュが左岸に誕生しました。
それが今回ご紹介する「ボーパッサージュ(Beaupassage)」です。
1.美食とアートが融合!21世紀のパッサージュとは?
2.新婚旅行でぜひ味わいたい!ずらり揃ったグルメの数々
3.ピエール・エルメのカフェ、ランチをリサーチ!
4.アート作品に囲まれた中庭で、アラビカのコーヒーを
美食とアートが融合!21世紀のボーパッサージュとは?
パリで1、2とも言われる左岸の高級住宅街7区に、既存の建物を生かしつつ8年の歳月をかけて作られた「ボーパッサージュ(Beaupassage)」。
21世紀のパッサージュは、商業と住居の複合施設として誕生しました。
世界的造園家ミシュエル・ドュヴィーニュが手掛けた美しく印象的な散歩道は、日本の植物も取り入れた現代アーティストたちの作品との融合。
そこにフランス料理界を代表する著名人たちによる美食の数々が、バラエティ豊かに詰まっております。
なんと日本からも京都の人気コーヒー店アラビカが出店。そして嬉しいのが全体的に抑えられた価格設定であるということ。
BIOの商品を多く揃えたお手軽なスーパー、カルフールやジムまで揃っていて、地元住民も観光客も楽しめる空間となっております。
新婚旅行でぜひ味わいたい!ずらり揃ったグルメの数々
ボーパッサージュはバック通り(rue de bac)、ラスパイユ大通り(Boulevard Raspail)、グルネル通り(rue de Grenlle)の3つの通りに面し、エントランスも3つ。
上の写真はグルネル通りの一番大きなエントランスで、ファブリス・イベール(Fabrice Hyber)の天井まで広がる赤と緑の印象的なアート作品が目印です。
オリヴィエ・ブランのレストラン「メルシ」
エントランス入ってすぐ左にあるのがブルターニュの二つ星レストランのシェフ、オリヴィエ・ブラン(Olivier Bellin)のお店「メルシ(Mersea)」。
9区に続く2店舗めで、一工夫した味付け&ソースのフィッシュ&チップスが人気です。
私はメニューを見てプルプ(poulpe=たこ)&チップスにひかれたのですがまだいろいろ見てから、と、ぐっと我慢。先に進みましょう。
BIO商品が充実してる「カルフール」
そのお向かいにあるのが「カルフール(Carrefour)」。他店よりもセレクトされた商品とBIO商品が揃っているのが魅力です。
その場で搾りたてが買えるオレンジジュースや、店内で焼いている丸鶏ローストチキン(大きいけど7.90ユーロ!)もあって、旅行だったら買ってホテルの部屋でがぶりといただいてもいいな、と思いました。
星付きシェフの味を手頃な価格で「ラレノテック」
その先にはスターシェフ、ヤニック・アレノ(YannickAlléno)のスタイリッシュなビストロ「ラレノテックL’Allénothèque」。
800本ものワインが揃い、奥さまのローレンス・アレノのギャラリー・スペースも併設されています。
ここはやはりなかなかのお値段ですが、シェフの三ツ星レストラン「ルドワイヨン」に比べれば1/3くらいの価格設定。
星シェフのお味を少しお手軽にお試しするにはよいかもしれません。
ヘルシーなファストフード「デイリー・ピック」
フランス東部ヴァランスの三ツ星女性シェフ、アンヌ=ソフィー・ピック(Anne-Sophie Pic)のお店。
野菜をたっぷり使ったヘルシーなファストフード店「デイリー・ピック(Daily Pic)」です。
近辺で働くパリジャンやパリジェンヌが気軽にランチしたり、テイクアウトしております。
単独ではここだけ!「ピエール・エルメ」のカフェ
21世紀のパティスリー界をけん引するピエール・エルメ(Pierre Hermé)氏。
彼のカフェは単独ではここだけで、散歩道に面したテラス席もあって気持ちのよい空間になっています。
芸術的なパティスリーはもちろん、クロックムッシューやサラダなど軽食が楽しめるのも嬉しい。
この他にもわくわくするようなお店がずらり!
日本の巻き寿司からヒントを得たブレッドマキがスペシャリテのパン屋さん、二つ星シェフ、ティエリー・マルクス(Thierry Marx)「ラ・ブーランジェリー(La Boulangerie)」。
パリ6区精肉の名店「ポルマール(Polmard)」のショップ&レストラン。
大統領官邸ご用達の老舗チーズ店「バルテルミー(Barthélémy)」。
そしてこのそうそうたる中に、京都の人気コーヒー店「アラビカ(%ARABICA)」が入っているのも、日本人としては嬉しいのです!
ピエール・エルメ カフェのランチをリサーチ!
ということで迷いましたが、今回はおしゃれなパリジェンヌのアパルトマンのような雰囲気のピエール・エルメのカフェへ。
帰りにはエルメが誇るバラとライチとフランボワーズのクロワッサン、イスパハン(生ケーキ)も買っていくことにしました。
「カルパッチョ・ド・ロット(Carpaccio de lotte)」をチョイス
チョイスしたのはカルパッチョ・ド・ロット(carpaccio de lotte)。アンコウのミキュイ(半生)のカルパッチョに青リンゴを添えたもので、かなり大きな1皿です。
実は注文する時に有料の付け合わせもすすめられましたが、他の方に運ばれているのを見たら、結構な量だったのでお断りしたのですよね。
さて、お味は?
青リンゴのほんのりとした甘酸っぱさとさっぱりしたドレッシングが、淡泊なアンコウによく合います。美味しいパン・ド・カンパーニュもつくので十分ですね。
これはフレンチで胃がちょっと疲れている時にも、あっさり軽くてよいのではないでしょうか。
しか~し、この後です。入店した時にあるのを確認しておいたイスパハンが、食事をした後売り切れていたのです。大ショックでした・・・。
なので購入したい場合は、入店した時にあればすぐ買っておくことをおすすめします!
アート作品に囲まれた中庭で、アラビカのコーヒーを
食事の後はせっかくなので、散歩道のステファン・ランク(Stefan Rinck)、マルク・ヴェレィ(Marc Vellay)らの現代アート作品を観賞。
ラスパイユ大通りのエントランスはエヴァ・ジョスパン(Eva Jospin)の作品。
皆さん、この楽しい美しい中庭で寛いでいらっしゃいますね。実はこの空間でアラビカのコーヒーがいただけるんです。
で、私もパリで京都のお店コーヒータイム。
こだわりのエスプレッソマシーンで入れたカフェオレ、まろやかで美味しかった!作ってくださった日本人女性スタッフさんもとても感じがよかったんです。
パリの新名所、いかがでしたでしょうか。
右岸の古き良き時代のパッサージュとは対照的で、ここは洗練された現代のパッサージュ。そして今のフランスの料理界を代表する方々のお味を、新しいスタイルで楽しめる場所になっています。
食事やティータイムはもちろん、テイクアウトして中庭でいただくもよし。ホテルに持ち帰って、2人でゆっくりいただくもよし。ただ、ただ、この雰囲気を楽しむのもいいと思います。
ハネムーンでパリにいらしたら、気軽に左岸パッサージュを楽しんでみてくださいね!
<Information> ボーパッサージュ Beaupassage
住所:83 rue de Bac 53-57, rue de Grenelle 7区
アクセス:パリメトロ12番線「リュ・デュ・バック(Rue du bac)」駅から徒歩約2分
※デパート「ボンマルシェ」からも歩いて7~8分ぐらいのところです。