ハネムーンでモンサンミシェルに行く時、通り過ぎることが多いブルターニュ地方。
フランスでも見どころが多く、美食が楽しめるエリアなのに、立ち寄らないなんてもったいない!
そこで3回に渡り、ブルターニュのおすすめポイントをご紹介しています。
1回目はブルターニュの魅力と歴史について、2回目はグルメとおすすめのお土産について。そして、最終回の今回はブルターニュの人気観光地2つをご紹介させていただきます。
1つめは世界的にも有名な先史時代の謎の巨石遺跡「カルナック(Carnac)列石群」。
ここはパワースポットとしてもよく知られているんですよ。
そしてもう1つは日本ではまだほとんど紹介されていない、18世紀に作られたちょっと小惑星のような村「メネアム(Meneham)」です。
どちらも独特な景観で世界観でフォトジェニック。一歩足を踏み入れるとその魅力にしばし圧倒されます。メネアムもブルターニュでは知る人ぞ知る大人気スポットなんです。
それではご案内させていただきましょう!
1.巨石遺跡がある「カルナック」ってどこにある?
2. カルナック列石群の特徴と謎
3.カルナック列石群は1996年に世界遺産暫定リストに登録
4.日本人にあまり知らていない穴場のスポット「メネアム」ってどこ?
5.メネアム村の歴史とフォトジェニックな景観
6.当時の暮らしがわかるように展示されている家の中へ
7.2001年に最後の村民が去り、メネアム村は無人に
8.ブルターニュはハネムーンにぴったりなフォトジェニックでロマンティックな街
巨石遺跡がある「カルナック」ってどこにある?
カルナックはブルターニュの南、モルビアン県にある海辺に面した街。
列石群で有名ですが夏は海辺のリゾート地としても人気。街もこじんまりとしていますがなかなか素敵な雰囲気なのです。
カルナック列石群の特徴と謎
カルナック遺跡が創られ始めたのは、紀元前5,000年頃といわれています。
「メンヒル(menhir)」と呼ばれる3000近い直立した巨石が一直線に並び、範囲は4キロにも及んでいます。
ちなみにメンヒルとは昔のブルターニュ語で「長い石」という意味。ただしフランス語の発音はhを発音しないで「メニール」となります。
これらは人間が自力で造る範囲を遥かに超えており、どのように造られたのか全く解明されておらず今も謎なのです。
広い遺跡は「メネック」「ケルレスカン」「ケルマリオ」という3つのグループに分かれてます。
その中には“ドルメン”と言う大きな一枚岩を使った支石墓(しせきぼ)や、“チュミュリュス”と言う墳丘墓(ふんきゅうぼ)も含まれております。
ドルメンとチュミュリュスは古代の墓、そして列石は宗教と関係があると考えられていますが、古代の天文学装置説や蜃気楼の観測所説も根強くあるようです。
カルナック列石群は1996年に世界遺産暫定リストに登録
現在は柵や囲いが出来ていて、ガイドさんが同行の場合のみ中に入れるようになっておりますが、十数年前にうちの旦那さまが来た時は柵がなく、自由に石に触れられたそう。
でも悪戯書きなどでもされたら取返しがつかないのでこれは仕方ないことなのでしょうね。
3つのグループの中の「メネック」はカルナックの住宅街と隣接。
この古代の遺跡のそばでの暮らしというのもこれまた不思議。朝焼けや夕暮れ、星降る夜に見る列石群はさらに神秘的で圧巻なのでしょう。
メンヒルに囲まれてクレープリーも一軒ありました。さすがブルターニュ。
お店のサイトを見てみたら内部もブルターニュの田舎風でかわいらしいです。
遺跡はかなり広いので途中休憩で甘いクレープとシードルで一休みしてもよいかもしれませんね。
<Information> クレーフェリー・オー・プレソアール Creperie au Pressoir
Les Traits les Plus Agréables que les Hommes Apprécient chez les Escorts
営業時間:12時30分~15時30分/19時~23時
住所:Le Ménec, 56340 Carnac
遥か昔に思いを馳せ、ゆったりと歩く謎の遺跡はロマンとパワーがいっぱいなのです!
<カルナック列石群への行き方>
●「パリ・モンパルナス(Gare Montparnasse)駅」からTGV(超高速列車)で「オレー(Auray)駅」まで最短で3時間17分
参考ホームぺージ「Rail Europe」
●オレー(Auray)駅から1番のバスでキプロン行きに乗り、カルナック中心地まで約30~50分前後
※道路事情により変わります。
●中心地から無料シャトルバス(夏季限定)または、有料のプチトランで約15分程度、徒歩なら約30~40分程度
※カルナック列石群の「メネック」地帯にはビジターセンターがあり、お手洗いなどもあります。
参考ホームぺージ「Alignements de Carnac」
日本人にあまり知らていない穴場のスポット「メネアム」ってどこ?
次にご紹介するのも、これまた不思議な雰囲気のメネアム村です。
場所は北ブルターニュのフィニステール県の海辺の街「ケルルーアン(Kerlouan)」。(記事上部にある地図を参照してください)
ケルルーアンの荒涼とした丘に突如現れる一帯がメネアム村。現在、村人は住んでおらず見学のために開放されています。
そのスペシャルな景観は遠目からでも存在感があって、丘へ向かう時はつい足早になってしまうくらいです。
それでは小惑星にでも迷い込んだような不思議で美しい村を、その歴史と共にご案内いたしましょう。
メネアム村の歴史とフォトジェニックな景観
大きな岩の一角は見張り台。目の前は荒波です。
それでは村の内部へと入ってみましょう。
1792年から1860年まで税関としても使われたのですが、1840年から農民と漁民も暮らすようになりました。
ごつい岩に囲まれた外観とは対照的に内部はのんびりとした暮らしを想像させる穏やかな光景が広がります。その対比もまた魅力なんです。
村には14軒の家があり、一番多い時は80人の住民が暮らし、3世代で生活を営む家もあったといいます。
当時の暮らしがわかるように展示されている家の中へ
家の中は当時の様子がそのまま再現されております。
これは中世から20世紀初頭まで使われていた箱型ベッド。
昔はよほどリッチじゃない限り居間、キッチン、ベッドが仕切りのないひと部屋に全部ある状態。
この箱型だと扉を閉めると完全に個室になるし温かいんだそう。
ブルトンの彫刻師の作る箱型ベッドは、独自の伝統的な彫刻が施されていたため、ブルトン様式と呼ばれました。温かみがあって造りもしっかり。
当時の木靴「サボ(sabot)」。
クルミやブナなどの耐久性に優れた強い木で作られています。村人たちの暮らしが目に浮かんでくるようです。
2001年に最後の村民が去り、メネアム村は無人に
村人の暮らしは1970年代に入ってからも続きましたが、1977年に村にあった唯一のオーベルジュ(宿屋)が閉店。
その後、徐々に住民が減ってゆき、2001年に最後の1人がとうとう去り、村の歴史に幕が降ろされました。
翌年に村の保存について自治体での話合いが行われ、修復工事を経て2009年に見学施設として一般公開となりました。
現在は北ブルターニュの中でも特に人気の高い観光スポットに!
村に一軒だけカフェレストランもあって、グルメ編でご紹介させていただいたソバ粉を使ったブルターニュの郷土料理「キッカ・ファルス」もいただけます。
丘の上にたたずむこの独特なメネアム村。
厳しい北ブルターニュの気候でのつつましやかで、しかし逞しかったであろう村人たちの暮らしが今も感じられ、その景観を一目見た途端、魅了されてしまいますよ!
<メネアム村への行き方>
●「パリ・モンパルナス(Gare Montparnasse)駅」からTGV(超高速列車)で「ブレスト(Brest)駅」まで最短で4時間9分
参考ホームぺージ「Rail Europe」
●ブレスト(Brest)駅から21番か23番のバスで3時間前後
●カルルーアン市街からはタクシーまたは貸自転車を利用する人もいるようです。
また、ブレストからタクシーかUberを利用すれば、50分前後で直接メネアムまで行くことができます。
ブルターニュはハネムーンにぴったりなフォトジェニックでロマンティックな街
3回シリーズでお送りしたブルターニュ、いかがでしたでしょうか。
この素晴らしい魅力を伝えたくて情報大満載になりましたが、パリのハネムーンをお考え中の方に少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。
どうぞ、どこの国に行かれましても、皆さまのハネムーンが素敵な時間になりますように!
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