【前編】ではパリメトロの切符の買い方と乗り方をご紹介させていただきました。
【後編】では駅から目的地への行き方編です。そして何と、この日私が遭ってしまった嘘のような、でも本当のスリ事件についてお話しさせていただきます。
恐~い!と感じる方がたくさんいらっしゃるかと思いますが、実際のスリの行動というものを知っていただき、とにかくお2人で出遭わないように、狙われないように十分注意していただけたらと思います。
それでは前回の続きで、オルセー美術館の最寄り駅に到着から案内を始めましょう!
目的駅に着いたら構内にあるカルティエ地図をチェック!
ここはオルセー美術館の最寄りメトロ駅「ソルフェリーノ(Solférino)」のホームです。パリのメトロ駅にはパリの路線地図と共に、必ずその駅ごとのカルティエ地図があります。
そのカルティエ地図とは、ちょうど写真の真ん中に写っているこれ。
見方は、上下左からABC・・・のアルファベットのマークが付けられ、左右上から1、2、3・・・の番号がつけられております。
地図は線で区切られていて、そのアルファベットと数字の組み合わせが、地図の横の青い欄に通り名などと併せて表示されています。
それではオルセー美術館への行き方をこの地図で確認しましょう。
●メモした住所で目的地がある「通り」を探す
【前編】で「最寄駅・路線番号・終着駅・目的地の住所」を回る順番にメモしました。
それを確認するとオルセー美術館の住所は「1,rue de la Légion d’Honneur」、つまりレジオン・ドヌール通り(rue de la Légion d’Honneur)です。
なのでまずは青い欄で確認。上からアルファベット順で通り名が並んでいます。
レジオン・ドヌール通り(rue de la Légion d’Honneur)なので、“L“のところを見てみましょう。ちょうどこの写真では上から5つ目のところに見つかりました。
横のアルファベットと数字の組み合わせはD2となっております。
●目的地がある「D2」エリアをチェック
続いてカルティエ地図で「D2」をさがします。このフォトでは区切られた線の、上真ん中がD2。見づらいですが中ほどにレジオン・ドヌール通り(rue de la Légion d’Honneur)が表示されていて、すぐ横に「オルセー美術館(Musée d’Orsay)」がありました。
レジオン・ドヌール通り(rue de la Légion d’Honneur)から、今いる駅までのルートを確認します。
●目的地に近い出口をチェック
すると、駅の「ソーティ2(Sortie2)」、つまり2番出口から出て「ベルシャス通り(rue de Bellechasse)」を抜けると「レジオン・ドヌール通り(rue de la Légion d’Honneur)」に着くことがわかります。
ホームを見渡すとRER線Cの案内と共に1、2番出口の案内があります。それでは矢印に向かって階段を上がりましょう。
階段を上がって進むと、今度は2番出口の案内とその下に「ベルシャス通り(Rue de Bellechasse)/オルセー美術館(Musée d’Orsay)」の表示。オルセー美術館はパリの有名観光地なので特別に表示されているんです。
そのまま矢印方向に進みます。
●通り名を記載したプレートを確認
2番出口を出て階段を上がると、ちょうど目の前の建物に通りのネームプレートが見えました。
「ベルシャス通り(Rue de Bellechasse)」となっております。
パリはこのように、どこの通りにもこのネームプレートがあり、建物ごとに番地も表示されているのでとても便利なんです。それではここを進みます。
「オルセー美術館」が見えてきました。横断歩道を渡った先がレジオン・ドヌール通りでオルセー美術館の住所「1,rue de la Légion d’Honneur」となります。
到着です!ちなみにこのすぐ向こうはセーヌ川。パリは真ん中にセーヌが流れているので街歩きの大きな目印になってこれまた便利なんです。
ということで、駅から目的地までは基本的にこの方法でたどり着けます。何度か利用してる間にすぐ慣れてくると思います。
メモをしておくとスムーズに移動できますし、構内であっちこっち迷っているとスリに狙われやすいでそれも避けられます。
ただし、メトロで事故があったり、工事になっている場合もたまにあるので、その時は駅構内にある路線地図か手持ちの地図で別の路線、行き方をチェックしてください。
おまけ!この日に遭遇したスリとの一部始終
それでは最後に、私がこの日本当に遭ったスリ事件をお話しいたします。実はこの時、左腕をケガしていてコートで見えはしないけどかばって歩いていました。
チャック式の斜めがけバッグだったけど、しっかり押さえて歩くことが出来ていなかったのです。それをスリはちゃんと見ていたのです…。
1人、人気の少ない構内を歩いていたら、すっとバッグのジッパーが開くのを感じました。はっとして見ると、真横でロマ系のティーンエイジャーが、私のバッグに手を入れようとしている瞬間でした。
足音も気配も何もなかったのでびっくり!
で、とにかくすごい大きな悲鳴をあげながら、ホームへ降りる階段の方に走っていきました。
振り返るとロマ系も追いかけてきたけど、ホームに人が見えたので「助けて!泥棒!」ととにかく叫びまくりました。
するとロマ系、立ち止まって一瞬私の腕のケガとホームの方を見て、力づくでとるか迷っている様子がうかがえました。
その時、離れたところにいた、たぶん見張り役のもう1人の仲間が『行こうぜ!』と呼びかけたので、諦めて去っていったのです。そちらから誰か来たのかもしれません。
同時にホームにいた人も走ってきて『大丈夫?盗られた?』と声をかけてくれました。バッグの中を確認したら全部無事。本当に危機一髪でした。
バッグが斜めがけのものじゃなかったら、完全にひったくられていました。今回は未遂で済んだけど、やはりパリを甘く見てはいけません。
で、改めて大事なことです。
<スリの手口>
- 切符売り場でカードの暗証番号を盗み見てその後つけ狙う
- 電車に乗車する際に人混みに紛れて後ろにくっついて狙う(数人グループが多い)
- エスカレーターなどで立ち止まった時に後ろから狙う
- 改札で『一緒に抜けさせて』と言い、後ろから接近して狙う
- 改札で2人組のスリが前後ではさんでどちらかが狙う
- 私のように構内を歩いている時、音もなく近づいて狙う
<スリ対策>
- バッグはジッパー付きで斜めがけのもの
- バッグをいつも前に抱え、手でしっかり押さえる
- 貴重品、スマホは一瞬でもポケットには入れず必ずバッグの底にしまう
- メトロでも街中でも「人気のないところ」はなるべく避ける
- 観光地など人が多いところも「人混みにスリが紛れている」ので注意
- もし狙われたら、とにかくそこら中に響き渡るような悲鳴をあげ騒ぎまくる
- 障害を持っている方、ケガをしてる方は必ず2人以上で行動する
これはパリに限ったことではなく多くの国で起こること。怪しい輩(やから)がいたら、旦那さまは奥さまの手をしっかり引いて、バッグを守ってどんどん離れてください。
とにかくお2人で常に気を抜かず、協力しあい、メトロを上手に利用し、パリハネムーンの街歩きを楽しんでくださいね。
【前編】メトロでの移動についてはこちらをご覧ください。