前回は、パリ市内までタクシーとバスを使って移動する方法を詳しくご紹介をさせていただきました。
今回は、海外初心者さんにはちょっとハードルが高いように感じてしまう「電車RERのB線での移動編」をお届けします。
危険なことがときどき起こると言われている、そのB線の実際の車内の様子もお伝えさせていただきます。
パリハネムーンで空港から市内へ電車RERで移動する方法
慣れない外国ではタクシーやバスに乗るのさえも不安がありますね。ましてや到着してすぐ、自分たちでチケットを買って電車で移動なんてとても無理!と思う方も多いはず。
でもやってみると、思ったほどには難しくないと感じるかもしれません。ただし、やはり十分な注意が必要です。
それでは電車移動編を説明してまいりましょう。
今回も、日本航空やエールフランス便の到着出口(Arrivées)、ターミナル2Eが起点です。
シャルルドゴール空港では常にこの青い案内ボードが、移動方法の目印であることは前回の記事でもお話させていただきました。
ではさっそく、「Trains」の矢印にそって行きますよ!
パリへはRER線のサインを目指せ!
案内ボードは5~6mごとに立っていて、写真は細かい表示があるものです。
一番下に電車のマークと「Gare SNCF(フランス国鉄駅)」、RERのマークと「Paris par train」が表示されています。
RER線が今回の目的ですので矢印にそってずんずん進みます。
タクシー、バス、電車のうち、電車乗り場が一番離れています。途中歩くエスカレーターや小階段も通りつつ、下写真の大きな看板が見えてくれば乗り場はすぐそこ。だいたい6~7分くらいでしょうか。
「Vers Paris」=パリ方面と「Grandes Lignes」=TGV乗り場の2線が表示されています。
全日空が発着するターミナル1は、駅まで直結ではないので「CDVAL(シャルルドゴール・ヴァル、ターミナル間をつなぐ無料の無人電車)」を利用してターミナル3・ロワシ-ポール(Roissy pole)にある空港駅に行くかたちとなります。
エスカレーターを降りれば「シャルルドゴール空港駅」に到着
まずはパリ市内に行くためのチケットの購入です。自動販売機が並んでおりますね。
ここで注意点を1つ。この駅の自動販売機、クレジットカードか硬貨のみで紙幣が使えない機械が結構あるのです。
もし紙幣しかない場合は、販売機と販売機の間にある「両替機」で硬貨に両替しなくてはなりません。
ちょっと手間ですが、最新式ばかりじゃないのがフランス。パリ市内でもこういった古めの機械が結構使われていたりしますよ。
電車のチケットを買ってみよう!
それでは購入に挑戦です!
画面左側がチケット購入、右側が定期券「ナヴィゴ」のチャージなので、左をタッチ。
画面が光っていてちょっと見づらいのですが、チケットの種類がいくつか並んでいます。
一番上の「Ticket pour Paris」がパリ行きチケット、二番目の「Aller et Retour 2 Tickets pour Paris」はパリの往復チケット。なので一番上のパリ行きチケットをタッチ。
続いて購入したいチケットの枚数が表示されます。
1、2、3…は枚数。私は1人だったので1にタッチ。料金は10.30ユーロ(約1,350円前後)で、タクシー、バス、電車の3つの中で一番安いです。
続いて購入方法の選択画面へ。
上の青いユーロマークが30ユーロまでの現金での購入、下がカードでの1ユーロからの購入マーク。私は現金、ユーロマークをタッチ。
10.30ユーロの硬貨を入れてください、の画面になったので、機械の横にある硬貨投入口にお金を入れます。
この機械も紙幣が使えない機械でした。
するとレシートが必要か、必要じゃないか、の画面になります。必要な場合はウィ(Oui)、必要ない場合はノン(Non)のどちらかをタッチ。
バスのチケットもですが、クレジットカードで買った場合は必要なくても「悪用されない」よう必ずレシートをもらってください。チケット、レシート、お金で買っておつりがある場合はおつりの順で出てきます。
販売機付近には、制服を着た駅の係の人がいることが多いので、わからない場合は訊ねてください。
このチケットでパリ市内のメトロの乗り換えも出来ますので、RER線を降りてもうっかり捨てないでください。
自動販売機の他にも大きな窓口もあってこちらでもチケットが買えます。
チケットを買ったらホームへ移動
チケットがゲット出来たらいよいよ乗車です。またまた出ました青い案内ボード。
このボードでは左がTGV乗り場、右がRERのB線のパリ方面乗り場ですので右に行きます。
改札では必ず機械にチケットを通してから入ってください。
チケットをちゃんと持っていても機械を通していないと、見つかった場合、たとえ観光客でも容赦なく罰金をとります。これはパリ市内でもフランス中どこでも同じ。
それから後で精算も出来ませんので、目的地までのチケットを必ず買ってください。ちなみに罰金はクレジットカードで払えます。
電車モニターで到着時刻と停車駅をチェック
ホームには電子モニターがあり、発車予定の電車の時間と停車駅が表示されています。
パリ行きのRERのB線は「普通」、「快速」、「急行」があります。
「普通」は各駅電車で所要時間約50分。
「快速」は空港から主要3駅、パリ市内主要駅全域で所要時間約40分。
「急行」は空港からパリ市内主要駅全域の直行で所要時間約30分となります。
急行の追加料金はありませんが、朝と夕方のラッシュ時間帯は運行がほとんどありません。
メリットはもうお伝えしましたが、チケットが一番安いことと渋滞に左右されないので予定通りの時間で空港からパリ市内の行き来が出来ること。
デメリットは、フランスはストライキがよくあるので、その際は本数が減ること。
そして、日本のネット情報でもよく出てきますが、RERのB線は治安の悪い地域を通るため危険だと言われていること。
ということで今度はそのB線に乗車した際の様子をお伝えしますね。
ほんとに怖い?電車RERのB線
今回乗ったのは日中の「普通」電車。実は取材で空港までの移動は行きも帰りも電車利用でした。
写真は空港へ向かう時の車内の様子。地元の方と空港に向かう方と半々ぐらいでしょうか。
危険な雰囲気というものは特には感じませんが、移民系の方々が他の電車よりもかなり多い印象です。
こちらは空港からパリ市内へ向かう時の様子。スーツケースを持った観光客の方がかなり多く、アジア系も含め女性だけのグループも結構乗っております。
「治安の悪い地域を通るから危険」と言われているRER・B線。窓から外を見ていると確かに、このへんかな、という場所を通ります。海外経験が少ない方だったりすると、それだけでも不安な気持ちになるのだろうと思います。
車内のドアの上には電子モニターがあって、これから停車する駅にランプがついております。
このモニターはパリ市内のメトロもほぼ同じなので、乗車したらこれで下車駅を確認するようにしてくださいね。
パリ市内の主要駅の1つ「シャトレ」に着きました。ここでメトロに乗り換えの場合も、すでにお伝えしておりますが同じチケットが使えます。
RERの改札の機械にチケットをいったん通してから出て、メトロの改札の機械にまたチケットを通してください。そしてチケットは最終駅を下車するまで大事に保管してくださいね。チケットを持ってないのが見つかるとこれまた罰金がとられます!
ということで実際のB線の様子はいかがでしたか?
海外ということで不安に思う方も多いと思いますが、さほど危険な雰囲気ではないと感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ただし、この取材時は日中。乗客が少ない早朝や夜は乗らない方がいいです。
これはB線だけに限ったことではありません。早朝や夜、人が少ない駅の構内やパリ市内の人通りの少ない場所を歩かない方がいいのと一緒。
住んでいる私もそれは常に気をつけています。パリはもちろん、多くの海外都市は日本とは違います。日本は特別に安全な国。それだけは忘れないようにしていただいて、お2人でどの移動方法にするかじっくり検討なさってください。
空港からパリまでの移動手段まとめ
●海外初心者さんはタクシー移動が安心(日本語対応もあり)
●安全に格安移動希望ならバス
●時間通りに移動&格安希望なら電車(ただし早朝、深夜は避ける)
●クレジットカード支払いはレシートを必ず受け取る
●電車、バスのチケットは必ず機械を通す
●電車の乗換時はチケットを取っておく(メトロでもそのまま使えます)