先週に引き続きローマと日本との歴史的接点(キリスト教関連)知って、ローマ観光をさらに深い視点からも観光できるよう情報をご紹介します。
≪ローマへの港の入口 チビタベッキア≫
Civitavecchiaには長崎で殉教する事となった日本人キリスト信者と外国人キリスト信者のための教会があります。
海岸に面したカラマッタ広場に堂々と日本人侍の銅像が建っています。
「支倉常長氏」です。
天正遣欧少年使節ローマ訪問の後、慶長遣欧使節にてローマにやってきた侍キリスト信者です。
実はこの2つの遣欧使節はローマの歴史上とても功績を残された教皇お二人と接見しています。
天正遣欧少年使節がグレゴリウス13世教皇とシクストゥス5世教皇に謁見したのに対し、慶長遣欧使節はパウルス5世教皇と謁見する事が出来ました。
Chiesaa Ss.Martiri Giapponese (日本人殉教者教会)
1864年にPio9世教皇によりS.Pietro Battistaと共に殉教した日本人信者のために捧げられた教会です。
1951年~1956年の間に「長谷川ルカ氏」により教会アプシデ(正面の円形天井)や壁画にフレスコ画が描かれました。
〇ジュズを抱くマリア様
水色のお着物と帯を締めて室町桃山時代の貴婦人のイメージで描かれています。
ジュズは純白な白と赤の着物を召され手には平和の白いハトを抱いています。
〇支倉常長 の侍姿が描かれています。
このように、日本人に親しみのある教会がローマには数か所あります。
雑談ですが、天正遣欧少年使節、慶長遣欧使節が接見した時代の教皇様は数多い教皇様の中でも歴史上とても偉大な教皇さまでした。
シクストゥス5世といえば、ローマ財政立て直し、公共事情のために財を惜しみなく投資したことで、ローマを復活させました。古代ローマ水道橋を修復したことによりローマ水路が復活し、主要教会広場にはオベリスク(古代ローマ戦利品)を再建し、教会へ続く為の主要道路を延ばすなど現在ローマ観光の見どころポイントはシクストゥス5世の功績のおかげでもあります。
そして、パウルス5世教皇は、ボルゲーゼ家出身の教皇です。
パウルス5世がパドロンになり育て上げた芸術家といえばベルニーニ親子やグイドレーニなど。
ルネッサンス美術、イタリア彫刻がバリバリの時代、パウルス5世は美術や芸術を愛しコレクションしてきた教皇です。 パウルス5世もシクストゥス5世の修復した水道橋を利用してローマのあちこちに噴水などを造りました。
シクストゥス5世の紋章は「獅子」、パウルス5世の紋章は「竜/ドラゴン」
ローマ観光中の建造物、教会などにある教皇家紋を目にするときに気が付く事でしょう。
ローマ観光では歴史の中に日本を見つけることができます。
ローマより 桜子