ローマテルミニ駅からまっすぐに伸びるカヴゥール通り(VIA CAVOUR)に建つ、大きな教会「サンタマリアマッジョーレ(Santa Maria Maggiore)教会」。
今年は25年に一度という聖年の年(2015年12月8日~2016年11月20日)なので、聖なる扉(Porta Santa)をくぐる事ができます。
サンタマリアマジョーレ教会は、聖母マリアのために建てられたとても素敵な教会です。
教会建築には素敵な伝説が残されています。今日はそんな素敵な物語を前編・後編の2回に渡りご紹介します。
真夏に雪が降る奇跡の場所に建つ、サンタマリアマッジョーレ教会
356年の夏、ローマに住むパトリッツィオ・ジョバンニがある夜、夢を見ました。
「夢枕に聖母マリア様が現れ、ジョバンニに、言いました。『エスクィーノの丘の雪の積もる場所に聖母マリアの教会をたてなさい』
それを聞いたジョバンニは、リベリオ教皇のもとへ行き、夢のお告げを伝えました。すると、リベリオ教皇様も同じ夢を見たという事でした。
次の日、つまり8月5日になんと、現在の教会の場所に雪が積もりました。暑いローマに奇跡の雪です。そして聖母マリアのための教会をたてることになりました。」
当初の教会は、「リベリオ教皇の教会」「雪のマリア教会」「プレセピオの教会」など、素敵な呼ばれ方をしていたそうです。。
その後シスト3世教皇により「聖母信仰」の公認の記念をうけ教会は431年に完成しました。
今でも、8月5日にはサンタマリアマッジョーレ教会では、白い雪を降らす催しが開催されています。
5世紀のモザイク絵画が今も残る奇跡
教会内には36本の大理石の柱廊があり、上部には5世紀(シスト3世の時代)のモザイクにてモーゼのヨシュア記の話、左側はイサブとヤコボのアブラハムの話が36枚のモザイク絵画にて説明されています。
5世紀のモザイクなんてすごい貴重です。
正面にはヤコボ・トリッティによる13世紀のアプシスモザイクも見事です。
そして、教会のフェザード(正面ロッジ)は18世紀にFugaにより増設されましたが、それまでの正面には、教会の神話のモザイク画が飾られていました。
モザイク画を間近で鑑賞できるツアーにぜひ参加を!
実はこちらのモザイク画は大変すばらしいので、是非奥様とローマの記念に上にあがって観覧してください。
上にあがるには、バチカンガイドの付き添いが必要になりますので、教会内のお土産コーナーから外へ出て右側の地下へ行きチケットを購入することになります。
秘密(?)の教皇のお部屋(ボルゲーゼ家)や、ロレンツォ・ベルニーニの作った階段も案内してくれます。
地下のチケット売り場では教会地下の見学もあります。
教会地下には、356年以前の古代ローマ時代の生活が垣間見れます。そのお話はまた次回。
教会には、ひっそりとベルニーニ家のお墓が葬られています。 ルネッサンス期に輝かしい作品を多く残したベルニーニ家は今も雪のマリア教会で静かに眠っています。
普通に教会を訪れるよりも教会の神話や歴史を知る事でお二人のイタリア旅行を知的に感性豊かな滞在となりますね。
ローマより 桜子