イタリアから日本へ里帰りした時の体験談

この夏、久しぶりにイタリアから日本へ里帰りしました。イタリアを含めヨーロッパ諸国では“ウィズコロナ”政策を打ち出しています。

しかし日本では緩和されつつあるとはいえ、まだまだ海外旅行へのハードルは高そうですね。

今回は、緩和前の7月に日本へ一時帰国をしましたので、その時の体験レポートを行き・帰りと2回に分けてご紹介したいと思います。

後編の日本からイタリアへの帰国については以下です。

イタリアはヨーロッパ諸国やアメリカからの観光客で賑わっています

2022年の夏、イタリアはヨーロッパ諸国や米国からの観光客で賑わっていて、コロナ前より欧米からの観光客数が増加したともいわれています。ウィズ・コロナでほぼ規制が撤廃。

自由に行き来できるようになり、コロナ禍でここ数年旅行を控えていた旅行者がイタリアを訪れているそうです。8月にはコロッセオ付近でウェディングフォトを撮影してもらっているハネムーン中のアメリカ人カップルの方も見かけました。

新型コロナウイルス陰性証明
新型コロナウイルス陰性証明

日本からお越しになる旅行者の方は残念ながらまだ少ないようです。一番のネックはやはり日本へ入国するのに必須な陰性証明だと思います。

この検査で万が一陽性反応が出てしまったら、検査が陰性になるまで日本へ出発することはできません。ただし、日本時間9月7日0時より、新型コロナワクチンを3回接種している人は、この出発前の陰性証明が免除されるようになります。

海外ハネムーンで一番ネックになっていた陰性証明のハードルがこれで一つ無くなりました。

2022年7月に日本へ一時帰国、早めに航空チケットを購入して正解!

実際、この夏の7月に日本へ一時帰国する際、出発までかなり大変でした。今年の2月初旬に全日空の公式サイトからイタリアー日本の往復航空券を購入。

その頃はまだロシア・ウクライナ間の戦争は始まっていませんでしたが、日本への入国はまだまだ規制が残る時期でした。

ただ、規制緩和に向けて進んで行く方向と言われていたので、夏のヴァカンスシーズンに向けて航空券の価格高騰は必至。実際、早めに購入して正解でした。

フライトはルフトハンザと全日空の共同運航便でした。

ロシア・ウクライナ戦争の影響は大、たびたびの変更に翻弄

戦争勃発の影響でたびたびのフライト変更

その後、国内外のコロナ規制はさらに緩和されましたが、ロシア・ウクライナ戦争が勃発。

出発日時が前後したり、経由地や時間変更、ロシア上空回避のための運航時間増加、目的地までの路線の運休決定などがあり、数回に渡る変更がありました。

購入時は[ローマーフランクフルトー名古屋]。しかし、ローマ出発の11時間前までには[ローマーフランクフルトー羽田ー名古屋(羽田で9時間待ち)]に変更されました。

大きな変更があるたびに、全日空のコールセンターへ電話をかけるのですが、多忙のため、なかなかつながりませんでした。オペレーターにつながるまで3時間近く待たなければいけないことも数回ありました。

こういう時、旅行会社を利用しているとずいぶん楽になると思います。

旅慣れている方でも、コロナ禍では旅行会社を頼るのが正解かと思います。

出発72時間前にPCR検査、日本政府指定の出発前検査証明を取得

日本出発まで残り72時間を切った頃、ローマの医療機関でPCR検査をし、無事、陰性結果を取得しました。このとき、英語の陰性証明のほかに、日本政府指定の出発前検査証明を医療機関で記入してもらう必要があり、それにも記入をしてもらいました。

ここで万が一陽性反応が出ると出発はできないので、ものすごく緊張して数日前からとにかく心配で落ち着きませんでした。

日本政府指定のアプリ「MySOS」
日本政府指定のアプリ「MySOS」

日本政府指定の陰性証明がとれたら、日本政府指定のアプリ「MySOS」をあらかじめダウンロードするか、MySOS Webで、ファストトラックという日本入国時の検疫手続きを円滑にするシステムを利用し、個人情報、誓約書、ワクチン接種証明と陰性証明のアップロードなどを済ませます。(必要書類は順次若干の変更がある場合があります。)

イタリアからの入国の場合、すべて入力すると画面の色が青になります。

必要事項を入力すると画面が青に変わる
「MySOS」アプリの画面

最初は赤で、必要事項を入れていくうちに黄、緑、青と変わっていきます(注:2022年8月下旬現在の情報)。

この時、上の画像左下「検疫手続事前登録」ボタンをタップすると、QRコードとステータスが表示されます。このQRコードのあるページのスクリーンショットを撮って保存。

日本の空港で到着時、WiFiにつなげなくてもすぐにQRコードが提示できるので便利です。必要書類や問診票などを登録していくのは煩雑な印象を受けますが、アプリの場合なら画像付きの利用者マニュアルを参考にすれば分かりやすいと思います。

まさかの直前フライトキャンセル!羽田での乗換時間が1時間になり大ピンチ

出発の24時間前にルフトハンザの公式サイトでオンラインチェックインも済ませ、準備万端でした。しかし、1日前、というより早朝のフライトだったので出発の11時間前にまさかのフライトキャンセルのメールがルフトハンザから来て愕然としました。

その5分後、全日空からメールが来て、キャンセルされたフライトの7時間後に出発する便に振り替えされたと知り、安堵。しかし、フライトが後倒しになった分、9時間あった羽田―名古屋便の乗り換え時間が1時間ほどしかなくなり、フランクフルトからの便が少しでも遅れようものなら乗り遅れしてしまう恐れがありました。

全日空のサイトから変更のコンファーム(予約確認)をする必要があるので入力するもののエラーが出てしまい、コールセンターに連絡。1時間半ほど待った後、やっとオペレーターとつながり、エラーの件を話すと、やはり羽田―名古屋便の必要最低限の待ち時間を切っているのでコンファームができないとのことでした。

それでも、もうこのままのスケジュールで行くしかないので、かなりタイトなフライトでコンファームするしかありませんでした。

旅行者でごった返すローマ・フィウミチーノ空港

ルフトハンザ航空チェックインカウンター
ルフトハンザ航空チェックインカウンター

7月初旬の段階で、空港内でのマスク着用率は50%といったところでしょうか。イタリアでは屋内でのマスク着用義務は撤廃されていますが、マスクの着用は「推奨」ということです。

病院、老人ホーム、電車やバスなどの公共交通機関ではFFP2マスク(KN95マスク)の着用義務は9月30日まで残っています。

飛行機の中でのマスク着用義務は航空会社によって異なりますが、ルフトハンザ航空のフライトではFFP2マスク(KN95マスク)の使用が、全日空のフライトではマスクの種類の指定はなかったのですが、マスク着用は強く推奨されていました。

チェックインカウンターではパスポートのほかに、英語の陰性証明、日本政府所定の陰性証明、MySOSの青い画面がチェックされました。印刷された紙媒体の陰性証明は要らない場合もありますが、航空会社や職員によっては紙媒体のものの提示を要求してくるケースもあるので、持っておいた方がよいでしょう。

手荷物などのセキュリティーチェックの入場ゲート
セキュリティーチェック入場ゲート

今回は全日空とルフトハンザ航空の共同運航便でありましたけど、ここのカウンターでの搭乗券の発行はローマーフランクフルト間のみでした。フランクフルトー羽田便、羽田―名古屋便の搭乗券の発券はフランクフルトの搭乗ゲートで行う必要があるとのこと。

ローマ・フィウミチーノ空港:搭乗ゲート前にて
搭乗ゲート前

ローマ・フィウミチーノ空港の搭乗ゲートでも航空券、パスポート、MySOSのページがチェックされました。

ローマ・フィウミチーノ空港:ルフトハンザ航空の飛行機
ルフトハンザ航空の飛行機

いよいよ、搭乗してローマ・フィウミチーノ空港を出発します!

フランクフルト空港到着後、飛行機を降りたところ
フランクフルト空港到着後、飛行機を降りたところ

無事、フランクフルト空港へ到着、バスに乗って空港建物まで移動します。

フランクフルト空港:バスに乗って空港建物まで移動
フランクフルト空港建物までバスで移動

フランクフルト空港建物では、出国審査が待っています

空港建物に着いたら日本行きの搭乗ゲートに行く前に出国審査を受けます。ここではパスポートを見せます。イタリア在住の私の場合はイタリアでの滞在許可証も見せます。

出国審査をすませ、搭乗ゲートに到着しても、まだ搭乗ゲートは開いておらず、開くのを待って搭乗券を発券してもらいました。搭乗時にはパスポートや搭乗券の他に、MySOSの画面も提示が必要でした。

羽田行きの飛行機の座席には充電のUSBポートもついており、長距離フライト中にスマホや電子機器の充電もできるようになっていました。機内に充電ケーブルを持参するのを忘れなく!

座席のフライトマップはロシア上空通過のまま

羽田までのフライトで座った座席、フライトマップがまだ更新されていなくてロシア上空を飛んでいました・・・。

約15時間のフライトの後、いよいよ日本上陸です。時間通りに羽田に到着しましたが、名古屋までのフライトには検疫もあり、やはり乗り遅れる可能性の方が強いと判断。

電車と新幹線で羽田空港から名古屋まで移動することになり、全日空が新幹線代を負担してくれました。

羽田空港到着、検疫所までの長い長い道のりを歩く

羽田空港・検疫所に向かう通路
羽田空港・検疫所に向かう通路

羽田空港では検疫所までかなり歩くときいていたのですが、やはり結構歩きました。

ひたすら赤い矢印の方に進んで行きます
ひたすら赤い矢印の方に進んで行きます

しかし、9月に入りかなり歩く距離は軽減されたと聞いています。

検疫所に着くまでのアプリ画面を準備する注意喚起の張り紙
アプリ画面準備を注意喚起

検疫所に到着する前に、ファストトラック利用者はアプリ画面を準備するよう、張り紙がされていました。

ファストトラックQRコードの準備
アプリ画面の他にQRコードも準備

さらに進むと、アプリ画面の他にQRコードも準備する指示もありました。

事前にQRコードのスクリーンショットを撮っておらず、また、ネット環境もない場合、空港のWiFiにつなげる必要がありますので、ここに来るまでにつないでおくとスムーズです。

ただ、ずっと手荷物を持って歩き続ける必要があるので、ここで一旦立ち止まってつなげておくと検疫官の前でスムーズに見せることができます。

検疫所でアプリ画面とQRコードを見せたら無事検疫完了し、以下の用紙をもらえます。

検疫所を無事通過するともらえる用紙
検疫完了後にもらえる用紙

この用紙をパスポートと一緒に入国審査官に見せます。これで無事に日本に入国となります。

その後、機内預かり荷物をベルトコンベアーから受け取り、税関手続きをすませれば到着ロビーへ出られます。到着ロビーに出られたのは飛行機が空港に到着してから45分後でした。

税関エリアを抜けるとキティーちゃんが出迎えてくれます
キティちゃんがお出迎え

税関エリアを抜けるとキティーちゃんが出迎えてくれました。その後、電車と新幹線で名古屋まで乗り継ぎ、無事実家に帰ることができました。

コロナ禍での海外旅行に加え、今回、ロシア・ウクライナ戦争が始まってしまったため、かなり大変な状況に。

予定変更が多く、ギリギリまで予断を許さない状況となってしまいました。新婚旅行でイタリアにお越しの際は、ぜひ旅行会社経由でお出かけになることを強くおススメします

また、事前に新型コロナウイルスワクチンを3回接種しておくこと。そうすれば帰国時のPCR検査なども免除され、万が一陽性であっても現地に足止めを避けることができます。

後編では日本からイタリアへ帰国した際のレポートをお届けしたいと思います。