日本のメディアでも何度も取り上げられているバレンシア・ブニョール村(Buñol)の「トマト投げ祭り」(Tomatina、トマティーナ)。
毎年世界中の観光客を魅了してやまないこの超ぶっとんだお祭りは、事前にチケットを購入すれば誰でも参加可能です。
ここでは、お祭りの歴史、参加方法、宿泊先、注意点、ブニョールまでの行き方などを紹介します。
開催は毎年8月最終水曜日の「トマト投げ祭り」とは?
世界的にも超有名なブニョール村の「トマト投げ祭り」ですが、実はそれほど長い歴史があるお祭りではありません。
また「トマト投げ祭り」として独立したお祭りのように扱われますが、実はブニョール村の村祭りイベントの一つです。
お祭りの起源は諸説ありますが、1945年8月最終水曜日の村祭りで若者グループがヒガンテ(Gigante)と呼ばれる人形やミュージシャンの行列に割って入り、転んだ参加者が怒りたまたまそこにあった八百屋の野菜-トマトを含む-を投げつけたとか。
その後は周りを巻き込んでのトマト戦争になり、最後は警察が仲裁に入ったそうです。
翌年、同じ若者グループが今度はご丁寧にも自分の家から予めトマトを用意していったそうです。若者の悪ふざけから始まったお祭りとはなんとも面白いですね!
ちなみに2017年は160トンものトマトが使われたそうで、ブニョールはさぞトマトの産地として有名…と思われるかもしれませんが、実はこの大量のトマトは村外から買い付けてきています。
「トマト投げ祭り」の前座的存在「パロ・ハボン」
「トマト投げ祭り」は「パロ・ハボン」(Palo Jabón)からスタート。スペイン語でパロは棒、ハボンは石鹸のことで、細い柱のような長い棒のてっぺんに生ハムの脚を1本ぶら下げます。
棒をよじ登って生ハムを取った人がその日のヒーロー。そして生ハム奪取が「トマト投げ祭り」の幕開けとなるのですが・・・。
実はこの棒、ただの棒ではなくて「パロ・ハボン」の名前の通り、石鹸が塗りたくられていて、ものすごく滑りやすく登るのは本当に一苦労なんです。
何名も挑戦して大体決着がつくのに数十分、成功者なしに終わった年もあるそうです。
いよいよトマト投げ祭りスタート
「パロ・ハボン」が終わると今度は「トマト!トマト!」とコールが始まり、午前11時にいよいよ「トマト投げ」開始です!
トマトは大きなトラックに載せられ、会場となっている村の細い道をゆっくり進んでいきます。
初めはトラックの荷台に乗った人が上からトマトを投げ、トマトが少なくなってきたところでトマトの荷下ろしです。
そこら中がトマトの海になる中、スペイン人、外国人関係なくトマトを投げまくります。
全身トマトで真っ赤になるまで、1時間トマトを投げるだけの最高にクレイジーな「トマト投げ祭り」。
ハネムーンの思い出に弾けて下さい!
12時の終了の合図でお祭りは終わりです。
終わった後はトマトで全身ドロドロ…。でも大丈夫、数は多くありませんがブニョール村提供のシャワーや、親切な村人たちが家からホースを持ち出して水シャワーを使わせてくれます。
お祭り参加の注意点
●トマトは必ずつぶしてから投げること、至近距離から強く投げつけないこと。
●お祭りは11時~12時です。終了の合図の後はトマトを投げないこと。
●瓶などの割れたりすると危険な物は持ち込まないこと。
●他人のそして自分のTシャツなどを破ったりしないこと。
●トマト投げが実際に行われる会場にはバックパック、バッグやカメラは持ち込まないこと。
※最低限のものを入れたサコッシュや薄いウエストポーチの上からTシャツなどを着ると良いと思います。
お祭り参加時の服装や持ち物
全身トマトまみれになるので、水着の上にTシャツと短パン着用がおススメ。
Tシャツはあえて白い色のものを選んで、トマトのシミを楽しむ人も多いとか。
足元もドロドロなのでさっと水で洗えるスポーツサンダル系か、捨ててもいいようなスニーカーが良いです。
ビーチサンダルは滑るのと、足を踏まれた時に危険なので避けましょう。ゴーグルがあると目が沁みません。
また、天気が良くても水シャワーを浴びた後は体感気温が一気に下がるので、着替えと羽織れるものを持っていくのがおススメです。
有料のロッカーも用意されていますが持ち物は少なく、そして防水対策を忘れずに!
「トマト投げ祭り」参加チケット購入方法
参加チケットはオフィシャルサイト(http://latomatina.info/)から購入できます。お祭り参加だけの単独チケットは特に人気なので参加を決めたらすぐに購入がベター。
お祭りグッズ、食事(パエリアやサングリア)、バレンシア・マドリード・バルセロナからのツアーバス、前夜&お祭り後パーティなどがオプションで付いたチケットも販売されています。
購入したチケットは必ずプリントアウトして下さい。
現地到着後にプリントアウトしたチケットを、お祭り参加者に配られるブレスレットと引き換えます。ブレスレットはお祭りが終わるまで手首につけたままにしておいて下さい。
ブレスレット受け取りには身分証明書(パスポート)の提示が必要ですのでご注意下さい。ブレスレット引換所はシンコ・デ・マヨ広場(Plaza 5 de Mayo、住所:Calle del Doctor Garcés Vericat, 1, 46360 Buñol)にあります。
注)毎年オフィシャルサイトからチケットを購入せずにお祭りに参加できなかったという人が後を絶ちません。
英語のページもありますが、チケット購入に不安がある方は、新婚旅行を一緒に計画してくれるハネムーンコンシェルジュに相談してみましょう!
ブニュール村の宿泊施設について
ブニョールは小さな村なので、宿泊施設はあっという間に一杯になります。更に村祭り意外には特に目立った観光施設もないので、バレンシアに宿泊するのがおススメ。
「トマト投げ祭り」後バレンシアに戻ってすぐにシャワーを浴び、午後も観光を…と考えている人は中心部に宿を取るのがおススメです。
ブニョールまでの行き方
バスと電車でのアクセスが可能(バスは1時間弱、電車1時間強)です。
バスはバスターミナル(住所:Calle Menéndez Pidal, 11, 46009)から、電車はバレンシア中心部の北駅(住所:Calle de Alicante 2, 46007)から発車となります。
お祭り開催日の8月最終日は夏季運行となるので、時刻表や行き方は8月になってからGoogleマップなどで検索するのが確実です。
電車やバスが到着したら、人が流れていく方に歩けば「トマト投げ祭り」の会場にたどり着くことができます。
8月終わりにハネムーンでスペインを予定している方、是非バレンシア観光と合わせてトマトの海にダイブしてみて下さい!
■写真提供:「トマト投げ祭り」オフィシャルサイト