ローマにはおいしいレストランがたくさんあります。
しかし、食後の会計で、高額請求をするようなマフィア系レストランも観光地にはあるので注意が必要です。
数年前にもナヴォーナ(Navona)広場近くの「Il Passetto(イル パッセト)」というレストランが、日本人の新婚さん相手にぼったくりを働き、イタリアと日本とで大々的に報道されています。
当時は「老舗のレストランだけれど、今後は営業停止!」と言われていましたが、今でも営業は続いています。
今週はトレビの泉からすぐ近くにあるぼったくりレストラン注意報です。
行っちゃダメなレストラン「ピアッツエッタ・クイリナーレ(La Piazzetta del Quirinale)」
Via in Arcione, 95(アルチオーネ通り)にある、「La Piazzetta del Quirinale(ピアッツエッタ・クイリナーレ)」レストランで起きた最近の被害報告です。
ここは食べちゃダメなレストランです。
観光客にとっては、大型バスを降りてトレビの泉まで歩く途中にある魚介類のおいしそうなレストラン。
だけれど悪徳情報がチラホラでていて、お勧めしたくないお店のひとつです。
こちらのレストラン、まだニュースになるような報道はされていませんが、ここ最近の被害が「Il Passetto(イル パッセト)」と同様の手口です。
なので現在も横暴中・・・
【事例1】テーブルサービス料が100ユーロ
中国人のお客が、テーブルサービス料として、100ユーロを請求された事例。
驚きながらも、支払ってしまったが、その後おかしいと思い、近くの他のお店で相談すると警察へ行くように助言されたそうです。
【事例2】400ユーロ近い請求で警察沙汰に
アメリカ人のお客が、400ユーロ近い請求をされたことに怒り、店内で暴れ、警察沙汰になる。
【事例3】イタリア人観光客からもぼったぐり
イタリア人のコメント
「Una grigliata di pesce per 132 Euro vergoniatevi una bottiglia di bianco del alto adlige Pinot grigio 60 Euro in Alto Adlige per Quell prezzo bevo 3 bottiglie ladri tirate alla larga di questo Ristorante 3-4 camerieri che bestiemavano e fumavano davanti al nostro tavolo. Una roba cosi non mi e mai sucesso in Vita mia e giro molto!」
翻訳すると「魚が132ユーロ、白ワインボトルが60ユーロ、3~4人のウエイターは客の前でタバコ吸う(外テーブルあり)、俺の人生こんなにひどいレストランは初めてだ!」
イタリア人観光客に対してもぼったくっていますから、日本人に対する態度はさらにひどいものでしょう。
ぼったぐりレストランの手口とは?
それでは「Il Passetto(イル パッセト)」や「La piazzetta del quirinale(ピアッツエッタ・クイリナーレ)」などのレストランでは、どのような手口でお客から高額の請求をするのでしょうか。
【手口1】メニューにないものをやたらお勧めしてくる
ウエイターが、ニコニコ笑顔(この笑顔にだまされる)で、メニューを持たずに「本日のお勧めパスタは・・・」と言ってくる。
その後に、「本日のお勧めセコンドは・・・」と勧めてくる。
ここまでは、イタリア人客相手でもある事。つまりメニューにはない、本日のお勧めのお皿の紹介です。
ココで大事なのが、本来のメニューを持ってきてもらう事です。
メニューには4カテゴリーに分けて通常メニューと値段が記載されています。
(1)Antipasto 前菜
(2)Primo Piatto パスタ・リゾット・ニョッキなど
(3)Secondo Piatto お肉料理・魚料理・フライなど
(4)Contorno 付け合せの野菜やポテトなど
だいたいのお値段を確認して、このお店の相場値段を把握します。
お肉・魚などのメニュー値段には、「4/etto」と記載されていることが多々ありますが、これは、100g(1Etto=100g)に対して4ユーロという意味です。
魚や肉は大きさで値段が変わりますので、「4/etto」のお魚が500gだったら20ユーロです。
フィオレンティーナ(ステーキ)や魚は、普通のレストランでしたら3~5/ettoが目安です。
下のレシートをみてください。
フィオレンティーナステーキが7/ettoで、しかもなんと2.6というよくわからないサイズです。
フィオレンティーナステーキは600g前後の大きさ、25~35ユーロが普通の値段になります。
過去記事で、ローマっ子に人気のローマ郊外(市内だけど)にある、フィオレンティーナステーキが食べられるお店、700gの大きなお肉の写真を参考にする(100g・4ユーロで28ユーロ)と、上のレシートがぼったくり料金なのかがわかりますね。
2.6ってどういうサイズですか??(その上サービス料とるほどのレストラン!?)
【手口2】食べきれないほどの量をオーダーさせる
これは、日本から学生旅行で来ていた若者たちに起こったぼったくり手口です。
元気で愛想のよいイタリア人(ルーマニア系も多々なのです)ウエイターにより、1人一皿の前菜、一皿のプリモ、一皿のセコンド、一皿のコントルノをすすめられるがままにオーダーしてしまいました。
イタリア人だってそんな量を食べるのは大変なのに、日本人が食べられないことを知った上でオーダーさせて、残したっていいから売り上げ計上を眩むわけです。
【手口3】法外なテーブルチャージを請求
テーブルチャージ料金(サービス料金)として、100ユーロ(約13,000円)請求する。
これは完全なるぼったくり。
メニューの中に「Coperto(コペルト=テーブル料)3/a persona(お一人様につき3ユーロ)」という項目があった場合は、それがテーブルチャージ料金です。
基本的にイタリアではコペルト(テーブルチャージ料金)は1~3ユーロ(約130~390円)としてメニュー表に載っていますので確認しましょう。
また、「Pane(パン)2/a persona(お1人様につき2ユーロ)」というのもあります。
これは、バスケットなどに入ったパンです。オーダーしていなくても料金に入る事があります。
日本で言う「お通し代」のようなもの。これは、ぼったくり項目ではないので問題ないですよ。
ぼったぐりレストラン、巧妙な手口への対処法は?
さて、手口1~3までの対処方法はどうすればいいのでしょうか。
【手口1】メニューにない料理をやたら勧めてくる場合の対処法
この場合、「Quanto costa un piatto?(クアントコスタ ウンピアット=1皿いくら?)」と必ず聞くようにしましょう。
イタリア語で値段を答えられたら、紙とペンを渡して、数字を書かせます。
観光客なんだから、言葉がわからなくて当然ですから。お値段は明朗で行きましょう、という意思をはっきりと。
納得がいかなければ、オーダーしていないうちに席を立って外に出たっていいのです。
【手口2】食べきれないほど注文させるの対処法
この場合は、事前に食べられる量を把握しておきましょう。
日本人には、前菜とプリモでおなかがいっぱいになります。セコンドは頼む必要はありません。
「Basta, cosi(バスタ(結構です)コジ(これで)」と一言いえば、OKです。
お肉料理や魚料理を頼むときは、Etto(100g)単位の記載があれば、「Quanto Pesa Circa(クアント(いくつ)ペーサ(重さ)チルカ(だいたい)?」ときいて、やはり紙に数字で記載させるといいですね。
ハネムーンでお2人が召し上がれるオーダーとメニュー料金の参考例
●2人前前菜:14ユーロ(約1,820円)
●2人前プリモ:22ユーロ(約2,860円)
●2人前ドルチェ(お菓子):8ユーロ(約1,040円)
●飲み物:水が2ユーロ(約260円)、ハウスワインハーフが4ユーロ(約520円)、コーヒーが3ユーロ(約390円)
●コペルト(テーブルチャージ料)2人分:4ユーロ(約520円)
[トータル:57ユーロ(約7,410円)]
ウエイターの感じが良かったら3ユーロ手渡しても60ユーロ(約7,800円)です。
この3ユーロがいわゆる「気持ちのチップ」です。ウエイターの態度が良ければ、渡すし、大したことがなければ渡す必要もありません。
【手口3】法外なテーブルチャージを要求された場合の対処法
これについては必ずレシートをもらいましょう。
ありえない高額請求されたり、コペルト100ユーロの請求があった時は、レシートに詳細が記載していることを確認します。
そしてメニュー表をもってこさせ、「どこにサービス料100と記載されているのですか?」と問いただします。
英語だってイタリア語だってジェスチャーでだっていいですから。できれば携帯電話で会話を録音などもしておくといいです。
結局、支払うしかなくなった場合は、支払後にそのレシートをもって、警察へ(広場にいます)行きます。
レシート持参で警察官にレストランまで同行してもらうんです。
警察よりそのお店へチェックが入りますから、お店側の言い分が変わる事もあるでしょうが、録音した通話を証拠に強く出てくださいね。
<追記>
サービス料10%とか、20%とか記載されている場合があります。
イタリアではホテルや5つ星クラスのレストランでない限り、トータル料金からさらに10%などとりません。
メニューの下の方に「Servizio 10%(サービス料10%)」などと記載されいないかも確認しましょう。記載されていたら、払うしかありません。
食の都、イタリアですが、観光産業で生きているイタリア。
観光客からいかにしてぼったくるかに頭を使う、悪い経営者も多少はいるという事を忘れないでくださいね。
この通りにある「ジェラッテリアバレンティーノ」は、日本人にも世界中の観光客にもお勧めのおいしい手作りジェラッテリアです。冬でもジェラートお勧めです。
ローマより 桜子